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ヤマト 26年ぶり宇宙へ アニメ復活篇 西崎プロデューサー語る

2009年12月11日

写真「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」から写真西崎義展プロデューサー=東京都内

 故・宮川泰の名曲に乗って、ヤマトが宇宙に帰ってきた。26年ぶりの映画となるアニメ「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」が全国公開されている。38歳となった主人公・古代進が新たな地球の危機に立ち上がる。1974年のテレビシリーズ第1作から手がける西崎義展プロデューサーは「愛が『ヤマト』の不変のテーマ。我々が踏みつけにしているこの地球への愛を訴えたい」と話す。

 ヤマトが水惑星アクエリアスに没した「完結編」(83年公開)の17年後が舞台。移動性ブラックホールが地球に迫り、人類は2万7千光年離れたアマール星の衛星へ移住を始めるが、移民船団が攻撃を受ける。古代は再建されたヤマトで船団を護衛、異星人連合の艦隊に闘いを挑む。

 「地球の運命を背負い、巨大な敵に1隻で立ち向かう。それが『ヤマト』のロマン。成長はしたがまだ青年っぽさも残す古代を描こうと、38歳に設定した」と西崎。自ら監督も務めた。

 「第1作で古代は、闘うのではなく愛し合うべきだった、と言う。今回も、消滅目前の地球を見送る彼のセリフに、テーマが集約されている。地球がいかに大切か、若い人にもっと考えてほしい」

 古代の声は故・富山敬に代わり山寺宏一が担当、キャラクターのデザインも変わったが、宇宙をゆくヤマトの雄姿と壮麗なテーマ曲の組み合わせには今なおあらがいがたい魅力がある。展開が荒っぽくヤマトばかりが強いのも“ヤマトらしさ”か。

 「今回、ヤマトはCGで描いた。360度どの角度から見てもカッコいい、究極のヤマトができた」。戦闘場面にはクラシックの名曲も使った。「宮川泰に対抗するにはベートーベンとかチャイコフスキーじゃないとね。激しい戦闘にショパンの優雅なピアノ曲をつけたのは、うまくはまったと思う」

 エンドロールの最後に「第一部 完」と出る。「作品にとりかかる度に『これを最後に引退だ』と思うんだけど、出来上がると『来年なにしよう?』となってやめられない。もの作りって因果なものです。もう75歳だけど体力気力はまだまだある。さて、第二部はどうしようか」(小原篤)

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