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朝日放送、朝日新聞社と提携強化で合意 株式を相互保有

2009年12月10日19時43分

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 朝日新聞社(秋山耿太郎〈こうたろう〉社長)と、関西を基盤とする朝日放送(渡辺克信社長)は10日、新しい事業提携の枠組みについて合意した、と発表した。厳しさを増すメディア間競争を勝ち抜くため、提携によって経営基盤を強化するとともに、共同取材や人的交流の拡大、関西文化を発信する事業でのタイアップなどを進めていく。

 広範囲の提携の基礎とするため、朝日放送は、朝日新聞社の村山美知子社主が所有する朝日新聞社株式のうち、発行済み株式総数の2.31%に当たる7万4千株を同日取得した。取得額は約35億円。朝日新聞社は朝日放送株の約15%を保有する筆頭株主だが、これまで朝日放送は朝日新聞社株を保有していなかった。今回の取得で両社は株式を持ち合う関係になった。

 両社は同日付で、両社社長を共同委員長とする「協業推進委員会」を設けた。その下に、「報道」「スポーツ」「文化事業」「ビジネス」という四つのワーキンググループを置き、具体的な協業内容を詰めていく。

     ◇

 「報道」では強力なジャーナリズムの確立や、多様なコンテンツの提供を考える。「スポーツ」ではプロ野球や高校野球などでの一層の連携を、「文化事業」では関西の文化財や美術、音楽などの事業を検討する。「ビジネス」ではデジタル事業などを念頭に新しい収益事業を目指す。

 具体的にはそれぞれのワーキンググループでこれから詰めていくが、例えば次のようなプロジェクトをイメージしている。

 ●報道プロジェクト

 取材した内容を相互に交換し、共同で取材する機会を大幅に増やして、人的交流の拡大も図っていく。調査報道を一緒に進めたり、朝日新聞社が重点的に取り組んでいる「教育」「環境」「医療」や朝日放送の「こども未来プロジェクト」、災害や原爆、平和、関西経済、宗教、科学技術、大学などといったテーマで、共同のキャンペーンを展開したりしていく。

 ●伝統文化プロジェクト

 朝日放送が映像化に取り組んできた文化財を紙面で紹介したり、朝日新聞社が後援しているキトラ古墳壁画特別公開をはじめとする文化事業でタイアップしたりすることで、伝統文化の保存と活用をめぐる総合的な取り組みを両社で考えていく。

 ●音楽プロジェクト

 2013年にオープンする予定の新フェスティバルホールでの「大阪国際フェスティバル」の展開や、ザ・シンフォニーホール、ABCホールを加えた3ホールでの事業提携、両社がそれぞれ関係の深い団体などと実施している音楽関係の各種コンクールやイベントでのタイアップなどに取り組んでいく。

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