知人男性6人が次々と死亡…
34歳女詐欺師魔性の婚カツ=i2)
(週刊朝日 2009年11月13日号配信掲載) 2009年11月5日(木)配信
「自分だけに心許したのかと…」難逃れた男の述懐
インターネット上の「婚活サイト」を通じ、少なくとも20人前後の男性と接触していたとされる佳苗被告。その「魔性の婚活術」とはいかなるものだったのか。かつて接点があった中年の独身男性が、その一端を語ってくれた。
「この人と会ってますね?」
警察から突然連絡があったのは、佳苗被告と最後に連絡を交わして10日ほどたったころだ。
パソコン上のメールはすでに削除していたが、警察が復元したメールのやりとりを見せられた。
佳苗被告とは問題の婚活サイトを使いだして、すぐに知り合った。お世辞にも美人とは言えないし、胸元が大きく開いた写真も自分の好みと違ったが、話を合わせるのがうまいと感じた。
「それに大抵、こういうサイトは匿名なんだけど、彼女は木嶋佳苗って本名を出してた。『人には教えてないんだけど』って書かれると、自分だけに心を許したと思うじゃないですか。メルアドも本名のローマ字を使ってましたね」
だがやりとりを始めてすぐ金を求められ、金が目当てだと感じたという。
「親子ほど年が離れてるのに向こうが積極的なのって信じますか? それに知り合って2週間でカネ出してって言われたら、普通は警戒するでしょう。詐欺師にしても随分と荒っぽいなと。後で警察の人に聞いたら、そのころはカードの支払いが迫って相当切羽詰まっていたようで、逮捕後に『毎日が詐欺の生活だった』と話したそうです」
「払う金がない」とはっきり伝えると、「お金がない人とは付き合わない」と言われ、関係はそれっきりに。年老いた両親と暮らし、「親が生きているうちに孝行になれば」と結婚相手を探しているという男性。このサイトは、すでに解約した。
「被害者は金をだまし取られたこともそうだけど、今回、一番かわいそうなのは結婚をあきらめた人がいたこと。彼女が結婚への希望を失わせてしまった」
いま思えば、自分がやりとりしていたころから警察は佳苗被告をマークしていたのでは、と男性は言う。
本誌取材班
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