知人男性６人が次々と死亡…
３４歳女詐欺師〝魔性の婚カツ〟（2）
（週刊朝日 2009年11月13日号配信掲載） 2009年11月5日(木)配信
お粗末な捜査状況だが、驚くにはまだ早いようだ。
さる警察幹部が言う。
「実は、ずさんな捜査状況についての報告書が２カ月以上も放置されていて、警視庁上層部にまったく届いていなかった。恥をさらすような報告書は隠蔽されていたということだ。なんともあきれてしまう」
事実、埼玉県警にメンツをつぶされた米村敏朗警視総監が、
「（青梅の事件は）どうなっている？」
と激怒したのが１０月２８日。警視庁は大騒動となった。この時点で高綱直良刑事部長も一切、報告を受けておらず、捜査一課長に問いただしたところ、報告書が途中でたなざらしにされていたことが発覚。実はこの時点で捜査一課の一個班がすでに投入されていたものの、それすら報告されていなかったことも判明したというのだ。
かくして、警視庁は恥の上塗りをしたわけだが、それ以上に重要なのは今年５月以降、佳苗被告の知人に不審死事件がさらに続いたことである。捜査のミスや隠蔽がなければ……と思わずにいられない。
０９年５月●千葉県野田市●８０歳 被告訪問直後に自宅全焼
千葉県野田市の無職安藤建三さん（享年８０）は今年５月１５日、自宅の火災で死亡した。ヘルパーとして出入りしていた佳苗被告は、火災の数時間前に訪問しており、安藤さんの口座から現金を引き出していたこともわかっている。
葬儀に参列した親戚は息子のみだったという。
近所の人はこう話す。
「安藤さんが近所のスーパーに買い物に行くのをよく見かけました。昼間に女の人の後ろ姿を２回くらい見たことがあって、この人が介護の人なのかなと思ったくらいで、別に気に留めませんでした」
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