知人男性6人が「不審死」34歳“婚活”女詐欺師
同棲相手が語る木嶋佳苗被告の素顔
「元デブ専ソープ嬢」疑惑も浮上
(週刊朝日 2009年11月20日号配信掲載) 2009年11月11日(水)配信
9月21日の夜に千葉県警の捜査員が自宅に来て、私だけ外へ連れ出されて事情を聴かれた。捜査員から「彼女は睡眠強盗をしている」と言われた。すでに250万円を渡したと話すと、「使い道が違ったら被害届を出すか?」と聞かれた。「出す」とは答えたが、実際にはまだ彼女を信じていました。
というのも、2日前の9月19日、彼女から警察に疑われていると打ち明けられていたんです。彼女の話では、「ビルを持っているからお菓子教室を開けば?」と男に誘われて会ったが、その男はウソつきで、実際には教室を開くテナントがなかった。その後もしつこく交際を求められたから、最後に一度だけ会って交際を断ったら、次の日に警察からの連絡で男が死んだと知った。それで警察から疑われ、家族も事情聴取を受けて、お菓子教室はダメになった。そう言っていたが、あとになってそれが亡くなった大出さん(注)のことだとわかりました。
私が事情を聴かれたあとに、彼女も聴かれて1時間ほどで戻ってきた。彼女は、私が払った250万円については領収書が残っていたから疑いが晴れた、と言っていたが、それも本当かどうかはわからない。そのときはまだ、別件逮捕されなくてよかったね、と私もいっしょになって喜んでいた。その後にさらに200万円を預けて、渡したカネは合計450万円です。
彼女と最後に別れたのは、9月25日の昼ごろ。埼玉県警の捜査員に呼ばれて、彼女は「大丈夫だよ」と言って出て行った。その日の夕方、警察から「逮捕した」と連絡があった。事前に教えてもらっていた弁護士に電話したところ、「支援してもらったお金なのに、詐欺容疑で捕まっている」と話していた。大丈夫かな、と心配していた矢先、最近になって大々的な報道を目の当たりにしたわけです。
家中にあった七つの火災報知機がぜんぶ取り外されてるのに気づいたのは、彼女が逮捕されてから2日後のことです。ふと見上げて気がつき、なんでかなぁといろんな想像をしてきた。ところが、今年に入って彼女の知人が練炭で死んだり火災で死んだりしているのを報道で知って、ようやく、自分がどんなに恐ろしい立場だったのかがわかった。寂しい思いもあったし、だまされた自分も悪いんです。でも、今はただただ、生きててよかったと、そう思っています。(談)
本誌・藤田知也
(注)8月6日、埼玉県の駐車場に止めてあった車の後部座席で死亡が確認された東京都千代田区の会社員・大出嘉之さん(当時41)。車内に練炭があった
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