【モーグル】上村、意識してきた「早い仕上げ」で好感触　Ｗ杯初戦

　１週前の欧州杯２戦は４位、７位と振るわなかったが、やはりＷ杯となると“本気度”が違う。今季Ｗ杯開幕戦で、上村はスピードに乗った安定した滑りを見せ、悠々と予選を通過。「第２エアで失敗はあったけど、全体的に良かったですね」と納得の表情で振り返った。

　いつもはシーズンの深まりとともに調子を上げていくタイプだが、今年３月の世界選手権で２つの金メダルを獲得し、早々と五輪代表に内定。それだけに今季は来年２月の五輪本番を見据え、技術、肉体とも意識的に早めに仕上げてきた。

　雪上の感覚を忘れないよう春夏の海外合宿で積極的に滑り込み、「例年より順調」と手応えを感じていた。さらに、緊張感のあるＷ杯初戦の滑りで満足なパフォーマンスを発揮できたことは、今後に向けた自信になる。

　予選とはいえ、昨季Ｗ杯種目別女王のハナ・カーニー（米国）に小差で迫り、地元開催の五輪でトリノに続く連覇を狙うジェニファー・ハイル（カナダ）には大きく差をつけた。まずは視界良好である。（堀健二）