【北京=峯村健司】中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席(66)の有力後継候補とされる習近平(シー・チンピン)・国家副主席(56)が12月14日から訪日することが固まった。日中関係筋が明らかにした。4日間滞在し、鳩山由紀夫首相らと会談する予定で、その後、韓国などを訪問する。
中国側は天皇陛下との会見を希望しているほか、政党幹部、経済団体とも会う。習氏は浙江省、上海市など地方経験が長く、これまで日本とのつながりは深くなかったため、政財界の要人と幅広く会うことにしている。
胡錦濤氏も国家副主席だった1998年に日本を訪れており、習氏は前例にならう形だ。会談では、両国の懸案となっている東シナ海のガス田共同開発などには踏み込まない見込み。「次世代指導者のお披露目が目的で、前向きな日中関係をアピールし、信頼関係を築きたい」(日本外交筋)との狙いだ。
習氏は08年3月に国家副主席に就任。北京五輪の責任者を務めたほか、今年10月には欧州5カ国を歴訪。2012年の共産党大会で胡氏の後継者となることが有力視されている。