<< 2009年12月 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

もうなんとコメントしていいのか分からないこの政権

2009/12/12 22:36

 

 

 平成15年に前立腺がん摘出手術を受けられた後、決して健康状態が万全とはいえない天皇陛下の外国要人との会見については平成16年以降、重量級の人物から求めがあっても、それが1カ月前までに文書できちんと申請されない限り受けないという「1カ月ルール」が厳正に運用されてきました。

 

 安倍元首相は本日付のメールマガジンで「陛下のご健康を守るため、小泉、安倍、福田、麻生内閣に於いて厳守されてきました。私の知る限りでも、来日する賓客の多くが陛下への謁見を望み、1カ月を切って申し込んでくる国も多々あります。その中には日本にとって重要な要人もいましたが、例外なく断ってきました。陛下のご日程に政治的、外交的思惑を入れてはいけないと、その時々の政権は自制してきました」と書いています。

 

 また、1カ月ルールには別の目的もあります。周知の通り、陛下は外国の要人と会う際や外国訪問にあたっては、相手について極めて熱心に勉強され、準備されるのです。多忙を極める公務、宮中祭祀をこなした上での話です。

 

 だからこそ、陛下と会見した外国首脳らが、「ここまでわが国と私のことを理解されているのか」と感銘を受けもするし、日本とはそういう国なのだなと理解するわけです。そして、今回来日する中国の習近平国家副主席は、あるいは将来の国家主席なのかもしれませんが、現在は元首でも何でもないのです。

 

 中国側には二つの狙いがあったと思います。一つは、陛下といつでも会える習副主席という実績をつくって習氏に箔をつけること。もう一つは、中国の「要望」という踏み絵を日本が踏むかどうかを確かめること。結果的に、日本はほいほいと簡単に踏み絵を踏んでみせたわけで、中国は「日本は何でも言うことを聞くんだな」とさぞほくそ笑んでいることでしょう。平成5年に天皇、皇后両陛下の訪中を実現させ、国際社会への復帰の足がかりとして利用したときのように。

 

 それなのに、小沢一郎幹事長の働きかけを受けた鳩山由起夫首相は平野博文官房長官に宮内庁との調整を指示し、宮内庁は抵抗したものの押し切られた形です。しかも、ルール破りについて記者団に質問された、鳩山氏は逆にこう言い放ちました。

 

 「1か月を数日間切れば、もう杓子定規でダメだというようなことで、果たしてそれが本当にたとえば諸外国との国際的な親善の意味で、正しいことなのかどうか」

 

 これはいわば逆ギレです。自己正当化のあまり、1カ月ルールの方がおかしいと言っているようです。天皇の政治利用など当たり前だと言っているようにすら受け取れます。鳩山氏は万事がそうで、在日米軍再編問題への対応を見ても、「国と国との契約」(政務三役)など、どうとでもテキトーに変えられると考えているように見えます。法治主義よりも人治主義が優先するという考え方は、中国に近いのかもしれません。

 

 しかし、米国は大統領が就任式の際に聖書に手を置くように、基本的にキリスト教の原理が幅をきかせている国です。キリスト教は、神と人との契約によって成り立っています。いわば、契約は神聖なのです。なのに、鳩山氏は以前、「オバマさんは分かってくれる人だ」などと甘えとしか思えない人治主義が法治主義に優先するようなことを口走っていました。大統領来日直前に「キリスト教は独善的で排他的だ」と平気でのたまう小沢氏を身近で見ていると、ついそう思い込んでしまうのかもしれませんが。

 

 ともあれ、私と官邸で一緒に働いている後輩記者が先日、首相発言に関する記事を書きながらさかんにため息をついているので「どうしたのか」と聞くと、「このバカ政権に対する怒りで目がくらみそうです」と言っていました。同感です。はっきり言えば、あの阪神大震災で大失態を犯した村山富市元首相以下ではないかと最近は感じています。

 

 鳩山氏は最近では、米国は米軍普天間飛行場は現状維持がベストだと思っているようだとまで語っていますが、宜野湾市民の背負う危険がそのまま残るとしたら、それは米国のせいというより鳩山政権のしでかした不始末でしょう。そんな明々白々な事実すら認識できないようです。本当にどうしたらいいのか、この人は。

 

 というわけで、真面目にこの政権のことを考えると絶句状態となり、ときに言葉がでてこなくなるのです。

 

   

 

 本日は所用で新幹線に乗り、某所へと赴き、帰りの新幹線で名物だというこの弁当を買いました。けっこうおいしくいただきました。これ以上、政治のことを考えても頭に血がのぼるばかりなので、漫画でも読んでビールを飲んで寝ます。

カテゴリ: 政治も  > 政局    フォルダ: 指定なし

コメント(8)  |  トラックバック(1)

 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://abirur.iza.ne.jp/blog/trackback/1364961

コメント(8)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2009/12/12 23:18

Commented by makino-k さん

初めまして

いろいろ気がめいると思われますが、どうかジャーナリストとして
歴史の審判としての記録を後世に残して頂けるよう、日々を
過ごされる事を希望いたします。

私自身がその記録を後世で活用できそうにない世代なのが
残念なのですが。。。

P.S.
若者は最近右傾化で、変な愛国心で暴走する「空気」に
気をつけねばと思っていたのですが、
政治の世界では大逆流のようで驚いております。
思わず ID を取って書き込まずにはいられない思いに
なってしまいました。

 
 

2009/12/12 23:21

Commented by highlevelreader さん

平野官房長官は「日中関係は重要だから」と、うっかり本音を洩らしてしまいましたね。

つまり民主党政権は、胡錦濤主席が小沢チルドレンに握手を「賜った」ことへのお礼として、恐れ多くも天皇陛下を政治的に利用しようとしているのです。

韓国に対しては、民団民主党の選挙を応援してくれたことに外国人地方参政権で返礼をしようとしているし、

一方では日本と価値観を共有し、同盟関係にある米国との関係を危うくしているし、

ファシスト小沢と無責任宰相鳩山のコンビで、日本は亡国の道へと導かれているように思われてなりません。

ネットでは民主党への批判が多いにも関わらず、産経新聞以外の多くのマスメディアが民主党への批判を封殺していることも考えると、絶望感から暴発が起こるのではないかという心配さえ出てきました。

 
 

2009/12/12 23:23

Commented by iza1192take さん

後輩記者の「怒りで目がくらみそうな」感覚は正しいし、「あの阪神大震災で大失態を犯した村山富市元首相以下では…」とは、よく言ってくれました。全く同感です。しかし、そこまで言ってしまって、このあとの取材は大丈夫でしょうか。いささか心配です。

 
 

2009/12/12 23:23

Commented by simesaba0141 さん

 素晴らしい!「陛下といつでも会える習副主席という実績をつくって習氏に箔をつけること。」この視点で語ったニュースやブログを初めて見ました。

 そう、これは明らかに箔付けですよ。そして、箔付けの片棒を担いだ小沢一郎氏は、ますます中南海の覚えが目出度くなるでしょう。彼我の利害が一致したと見ると、とても判り易いですよね。

 
 

2009/12/12 23:30

Commented by 花うさぎ さん

阿比留さん

姫路出張、ご苦労さまでした。

>あの阪神大震災で大失態を犯した村山富市元首相以下ではないかと最近は感じています。

前から言っているけど戦後最低の首相です(断言!)。

今の小沢支配と鳩山の馬鹿さ加減みていると、民主党支持を打ち出した人の顔が見てみたいと思いますね。

 
 

2009/12/12 23:31

Commented by 047696 さん

こんばんわ!阿比留さん。

もう、毎日、毎時間こんな馬鹿野郎の小沢、脳なし鳩山の為に国民が苦労するのか!との思いでいっぱいです。

しかし今回の小沢の不敬、不遜は恐れ多くも天皇陛下に対して駒のように使う小沢の人物像が現れてきましたね。

小沢は権力のため、自分のためには天皇陛下であれ、国民であれ、平気で裏切り、破壊する!

このような小沢を、権力の中枢において置くのは日本国、日本人の将来に災いを残します。

一刻も早く権力の座から追い落とすべきです。

すべて、諸悪の根源は小沢です。

めげずに権力者小沢を追い落とす為に、戦ってください。

脳なし鳩山は自滅しますから、無視しましょう。

外国人参政権反対、人権擁護法案反対、夫婦別姓制度反対。

継続は力なり!

 
 

2009/12/12 23:34

Commented by radiowatch さん

先の選挙で「亡国」と「売国」の二者択一に「売国」を選択したのは国民。
選挙の結果通りに国家運営がされているだけだと思います。
ちなみに、私には幸い別の選択肢が有りましたので、どちらも選択していません。

 
 

2009/12/12 23:40

Commented by ayp5552 さん

政治に対して、政治家の言動に対して、批判したくなることはどんな政権だって普通にあります。
けれども、あまりの悔しさ、情けなさに涙が出たのは、今日が初めてでした。
天皇陛下との会見問題ほど頭に血が上ったことはないです。
皇室を敬っているからという理由ではありません。
陛下がおかわいそうだ、という気持ちはありますが、そればかりでもありません。
日本人として、これほどの侮辱があるでしょうか。
日本ばかりか同盟国である米国のメンツをも台無しにし、国をこれほど危うくする政治の振る舞いがほかにあるでしょうか。
これほどの侮辱を、そして愚かな行いを、侮辱とも愚行とも思わず唯々諾々と受け入れる政治家が存在していいのでしょうか。

この問題を家族で話し合ってみましたが、
ふだん政治にさほど興味のない妻も(でも民主党はキライ)極めて批判的で、小学生と中学生の子供たちも何かヘンだと感じているようでした。

もう終わりにしたい。
鳩山政権を、そして政権を操る小沢氏支配を、
心の奥底から、もう終わりにしたい。
12月12日を、その終わりの始まりの日としたいです。

 
 
トラックバック(1)

2009/12/12 23:23

誰も指摘していないが、小沢一郎氏は胡錦濤氏に恩を売ったと見れば判り易い。 [てげてげコラム]

 

 渦中の習近平氏は、胡錦濤現国家主席が、次期国家主席選びの後継者レースにおける、最有力候補であると言われています。 しかし、その道のりは平坦では無く、江沢民前国家主席に連なる、いわゆる上海閥の巻き返し…