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JR東・西 新型車両発進長さ変えず衝撃吸収構造…JR西日本、リチウム電池走って充電…JR東日本この秋、JR西日本とJR東日本が相次いで新型車両の導入計画を公表した。JR西日本が2010年度から京阪神の在来線に投入する車両には、同社初の「衝撃吸収構造」を先頭部に採用するなど、安全性を高める工夫がされている。一方、JR東日本は非電化区間を電池だけで走ることができる電車の試験車両を製造、近い将来の営業運転を目指し、年明けから首都圏の線区で試験走行を始める予定だ。 (増田弘治)
これまで、追突・衝突などの事故を契機に、鉄道車両の安全性向上策がとられてきた。JR西日本でも2005年4月の福知山線脱線事故をきっかけに、車両設計の見直しが課題になっていた。また、近年、電力消費量の削減を中心にした地球温暖化対策も課題で、JR東日本はディーゼルエンジンと電池で走る「ハイブリッド」車両を導入済み。今回は「完全電池駆動」を達成し、さらなる環境対策をアピールする。 乗降位置そろえて衝撃吸収構造の車両は、JR東日本が採用している。運転台の前後にひしゃげやすい部分を追加した構造だが、この方式だと従来の車両より車体が長くなり、客の乗降位置が新旧車両でまちまちになる。 JR西日本車両設計室の松岡成康室長は「将来、ホームに転落防止用の『ホームドア』を設置することを前提に、新旧車両で乗降位置をそろえられる衝撃吸収構造を検討した」と話す。 その結果、運転台の床の枠と前面の2本の柱の厚みを増して強度を高めると、天井の強度が相対的に弱くなり、先に押しつぶされることがコンピューターの模擬実験で確認できた。この構造なら車両の長さはそのままで、乗客が受ける衝撃も現在の車両の半分程度に減らせるという。 運転台がつぶれても運転席の空間は確保できて運転士の生存率が上がり、事故の原因究明にも役立つ。 さらに、車内のつり手をオレンジと目立つ色にして大型化し、とっさにつかみやすいように改善。てすりの角を丸くして、万一体がぶつかっても衝撃力が分散され、ケガを減らせるようにもした。 温室効果ガス削減非電化区間を走るディーゼル列車は、排ガスから1キロ・メートル走るごとに1・75キロ・グラムのCO2を出す。JR東日本の電池式試験車両は、CO2を700グラムまで削減できるという。 「スマート電池くん」と名付けられた車両には、リチウムイオン電池が搭載され、架線のある区間ではパンタグラフを上げて走り充電する。ブレーキをかける間は使わないモーターを発電機として使い、生まれた電気も電池に収める仕組みだ。非電化区間では電池を使い、最高速度100キロ・メートルで最大50キロ・メートル走る能力がある。 10月29日にさいたま市の同社車両工場で報道公開された試験走行では、架線から充電しながら1・5キロ・メートル走ると、電池の量が10%回復する様子が運転席のモニターで確認できた。非電化区間では、途中や終点の駅に充電設備を設け、20キロ・メートル走れる電気の量を10分で補充できる仕組みを検討している。 鉄道用の変電所を新たに設けるのではなく、一般の電線から引く電圧を上げる特殊な装置を開発し、安価な充電設備を目指す。太陽や風力発電を使うことも検討課題だ。 JR東日本環境技術研究所の野元浩次長は「2010年以降の早い時期に、首都圏の非電化区間で営業運転できるようにしたい。ディーゼル列車に比べ、騒音が低いのも強みだ」と話している。 (2009年12月7日 読売新聞)
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