<特例会見>羽毛田・宮内庁長官の説明(概要)
12月12日12時6分配信 毎日新聞
羽毛田信吾・宮内庁長官 |
外国からの賓客については、引見(会見)希望日が迫った形で願い出があると、両陛下の日程調整に支障をきたす。ひいては繁忙をきわめる両陛下の生活に想定外のご負担をきたすことになる。常態化すればゆゆしきことであると考えて、1カ月以上前に内閣から願い出を頂くのをルールとしてやってきた。特に天皇陛下が前立腺がんの摘出手術を受けた(後の)平成16(2004)年以降は、ご負担や年齢を考慮して、このルールをより厳格に守っていただきたいと政府内に徹底してきた。
このルールは、国の大小や政治的に重要かどうかで取り扱いに差をつけるということなしに実施してきた。陛下の国際親善は、政府のやることとは次元を異にするもので、政治的な重要性、懸案、政治判断を超えたところでなされるべきだ。(今回の要請は)現在の憲法下にかかわる天皇陛下のお務めのあり方とか、役割とか、基本的なことにかかわることだと考えている。
今回、内々に外務省から宮内庁に打診されてきた時は、1カ月を切っていたので、ルールに照らし合わせて外務省に「応じかねる」との回答をした。外務省も「そうですか」と了承した。
その後、官房長官から「ルールは理解するけれども、日中関係の重要性にかんがみ、内閣としてはぜひお願いする」と言ってきた。私は「事務的に作ったルールではあるかもしれないけれども、やはり陛下をお守りするために作られたものであり、それは国の大小や、政治的に重要かどうかなどにかかわりなくやってきたので、ぜひ尊重してやっていただきたい。尊重することが政府のありようではないでしょうか」と申し上げた。
その後、官房長官から再度「総理の指示を受けての要請だ」と指示があった。そうなってくると、宮内庁も内閣の一翼を担う存在であり、宮内庁長官も内閣の指示に従うべき立場。こちら側の問題意識を申し上げながら、大変に異例なことではありますけれども、曲げて陛下にお願いすることにした。
私としては、誠に心苦しい気持ち。こういったことは二度とあってほしくない、というのが私の切なる願いだ。(「天皇の政治利用につながりかねない懸念があるということか」との記者の質問に)大きく言えばそういうことだろう。
陛下の国際親善のなさりようというのは、国の外交とは違うところにある。これから何かあった時に、陛下を打開役にということになれば、それはまさに今の憲法上の陛下のあり方と大きく狂う。
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最終更新:12月12日14時51分
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