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事業仕分け、物申す京大院生 研究者育成「削減」に反対(1/2ページ)

2009年12月9日13時27分

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写真:文科省への「メール作戦」を話し合う大学院生ら=3日夜、京都市左京区の京都大学、左古写す文科省への「メール作戦」を話し合う大学院生ら=3日夜、京都市左京区の京都大学、左古写す

 来年度予算の無駄を洗い出す行政刷新会議の事業仕分けで、文部科学省の若手研究者育成事業が「削減」と判定された。博士課程在籍者らに経済的不安を感じさせず、研究に専念させることを狙った事業だが、「成果目標が明確でない」などとみなされた。このままでは研究が立ちゆかなくなる――。京都大大学院生らは、予算削減に反対する要望書を文科省に送る「メール作戦」に乗り出した。

 3日夜。京都大のキャンパスの一室に、人文・社会科学系の院生ら7人が集まった。メンバーは「予算削減は若手研究者の意欲を喪失させ、科学の発展を損なう」などとする要望書を練り上げた。要望書に各自の主張を書き加えて、文科省にメール送信し、財務省に働き掛けてもらうことを決めた。

 他大学院などの研究者らにも要望書を送り、メール作戦の輪を広げる。研究会やシンポジウムでは、予算削減反対の署名を募るという。

 科学技術関連予算の削減、廃止判定をめぐり、理系は、ノーベル賞受賞者ら5人が記者会見して反対を表明、多くの学会が意見書や要望書を文科省に提出している。しかし、個人の研究が中心の人文・社会科学系は、反対運動が立ち遅れている。

 メンバーの一人、安田慎(しん)さん(26)はアジア・アフリカ地域研究研究科でイスラム教徒の巡礼について研究している。生活費は、日本学生支援機構から貸与される月12万円の奨学金が頼り。住まいは家賃2万8千円の築40年の木造アパート。風呂がないので大学のシャワーを借りている。書籍費や学会出張費などをひねり出すため、生活費を切り詰めている。

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