12日から2季ぶりに営業を始める伊那市西春近のスキー場「伊那スキーリゾート」で8日、安全祈願祭が開かれた。地権者や財産区の代表、市関係者ら約40人が出席。市内で数少ない冬のスポーツ施設再開を喜び合った。
今季から同スキー場を経営するクロスプロジェクトグループ(白馬村)の辻隆社長(38)は「若い力でこのスキー場を再生させ、スキー業界を明るくしたい」とあいさつ。小坂樫男市長は「子や孫をはじめ市民こぞって利用し、応援してほしい」と述べた。
総合建設業ヤマウラ(駒ケ根市)が2007年末に経営撤退の方針を示し、地元住民は対応を図ってきた。祈願祭に出席した西春近財産区の橋爪俊夫議長(69)は「こんな日が来ると思わなかったので感慨深い」としみじみ。地権者会の伊藤洋一副会長(67)も「一時はゲレンデを土に戻すしかないと思った。本当にうれしい」と笑顔だった。
同スキー場は今季、二つのコースでリフト2基を稼働、貸しスキー1500台を新たに用意した。従業員約60人の多くは地元雇用という。
子ども向けのスノーランド、トランポリン式遊具などを新設。坂を滑り降りマット上に跳ぶ通年型の遊具も近く設ける。6日の晩からスノーマシン17台を動かして人工雪をつくっており、週末までに滑れる状態にするという。
(提供:信濃毎日新聞)