楽天のドラフト1位ルーキー藤原紘通投手(24)が8日、仙台市の球団事務所で、500万円増の年俸2000万円で契約更改した。藤原は、本拠地Kスタ宮城で販売されている飲食物の新商品として、カツ丼に自らの名字を冠して売り出すことを熱望。「山崎でらうまカレー」「田中弁当」などに対抗し「藤原のカツ丼」を企画・プロデュースする意欲を示した。
名前入り弁当は、チームの顔となる人気、実力がなければ発売されない。今季の楽天では山崎武、岩隈、田中、野村監督の4人のみ。藤原は取って置きのカツ丼で、その仲間入りを狙っていた。カツ丼には、しょっぱい思い出がある。先発した8月22日のオリックス戦。4回途中5失点で降板すると、野村監督から「試合前に食堂でカツ丼をガツガツ食っとったやろ。血液がみな胃にいくから、打たれるんや」とベンチで説教された。だが、藤原が口にしていたのは、消化が悪いカツ丼ではなく、クリームパスタとサラダ。カツ丼をむさぼり食っていたのは球団関係者だった。
とんだぬれぎぬだったわけだが、これをきっかけに「カツ丼左腕」として名を売っただけに、その縁は大事にしたい。藤原は「あまりカツ丼は好きじゃない」と言いながらも、会見では「球団に推薦してください」と報道陣の力も当て込んだ。「来季10勝を目指す」という24歳はグラウンド外でも球団に貢献する。 (永山陽平)
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