ニューヨーク(CNN) 世界中で流行する新型インフルエンザ(H1N1型)ウイルスが、通常のインフルエンザと異なり、肺組織の深部まで感染し、炎症を引き起こしていたことが、流行初期に感染して亡くなった患者34人の病理組織検査結果で明らかになった。ニューヨーク市検視局が解剖所見などを元に調査した。
同市検視局は、流行初期の5月15日から7月9日までに、H1N1型に感染して死亡した患者34人の肺組織を調査。その結果、気管支からさらに深部にある肺胞まで、ウイルス感染による炎症や損傷が認められた。
この様子は、世界中で流行し多くの死者を出した1918年のスペイン風邪(H1N1亜型)、1957年のアジア風邪(H2N2亜型)と、よく似ているという。
米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、「一般的に、インフルエンザウイルスは気道に感染して、そこにとどまる。しかし、H1N1型ウイルスは気管からさらに奥にある肺胞まで感染し、炎症を引き起こす」と話している。