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【国際】

『新枠組みでの25%削減は無意味』 中国、日本の目標批判

2009年12月9日 夕刊

8日、コペンハーゲンのCOP15会場で会見する中国の蘇偉副団長(左)=蒲敏哉撮影

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 【コペンハーゲン=蒲敏哉】国連気候変動枠組み条約第十五回締約国会議(COP15)に参加している中国政府代表団が八日、記者会見し「われわれにあるのは、あくまで京都議定書の延長のみ」と強調。「日本は二〇二〇年までに一九九〇年比で温室効果ガスの25%削減を掲げているが、米国と一緒に別の枠組みを志向しているようでは、何もしないのと一緒だ」と日米への対立姿勢を鮮明にした。

 中国政府代表団の蘇偉副団長は「わが国も国内総生産(GDP)あたり〇五年比で40〜45%の削減目標を掲げている。これは京都議定書の改定の中で、自発的目標として盛り込まれる」と説明。

 「米国はいまだに議定書に復帰しないと言っているが、京都議定書の改定版に入るべきだ」と強調した。

 現在、協議されている新しい枠組みへの作業部会については「別の枠組みは現在も将来もあり得ない。中国は絶対に入らない」との姿勢を明らかにした。

 こうした批判に対し日本政府代表団は「これまでの温暖化交渉でも、公の場で他国の削減目標について批判することは考えられない。極めて心外だ」と反論している。

 COP15直前に米中が温室効果ガスの削減目標を発表したことで、交渉進展が期待されていたが、中国が日米など先進国への対立を強めたことで、首脳級会合での政治合意の行方も危ぶまれそうだ。

◆作業部会 交渉『進まず』

 【コペンハーゲン=蒲敏哉】COP15は八日、京都議定書の改定に向けた作業部会と新たな枠組みに向けた作業部会が非公式に並行して開かれた。

 新枠組みへの作業部会では、十二日からの非公式閣僚級会合へ提出する文書の原案を協議した。政府代表団によると、一行目に書かれていた各締約国の温暖化防止への取り組み姿勢について「法的義務」を意味する英語の助動詞「shall」を使用するかどうかで先進国と発展途上国間で紛糾。交渉は一行も進まなかったという。

 京都議定書改定に向けた作業部会では、途上国からの不満が相次いだ。

 九日以降、削減の基準年の設定や京都議定書の第一約束期間(〇八〜一二年)に続く約束期間の長さを協議する。

 

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