ポルノグラフィティにとって初となった東京ドーム公演は、全35曲、4時間を超える圧巻のステージ。さまざまな要素を盛り込んだ“一夜限りのスペシャルライブ”に、5万人が酔いしれた。
いきなり鬼太鼓座が登場して和太鼓で盛り上げるという、意表を突くオープニング。そこから勢いのある「Jazz up」でライブが始まると、一気に会場が沸く。映像を駆使したスケール感のあるセットをはじめ、エンターテインメント性あふれるポルノグラフィティならではのステージが展開していく。
「初めての東京ドームでテンションあがっています。ようこそ、ライブハウス東京ドームへ!」(昭仁)
「でっかいなぁ。この大きさをたとえるなら、東京ドーム1個分!」(晴一)
たとえ大きな会場であってもプレッシャーに飲まれることなく、ステージに立てばいつもの自分達をしっかりと見せるだけ。そんなふうに堂々とした2人の姿が目の前にあった。
11月にリリースされたばかりの最新シングル「アニマロッサ」も披露。「アゲハ蝶」では、盛り上がった5万人の“ラララ〜”の大合唱という感動的な光景も見られた。また、25絃箏奏者のかりんも曲にセッションで参加するなど、“和”をテーマにしたサウンドが新鮮。そして、広島弁での熱いMC。自分達の思いを言葉にした“一生懸命”という巨大な幕をバックにするなど、どこまでも自分達の熱気をストレートに打ち出していく。
ライブの合間に挟まれたメッセージ映像では、メンバー2人からのオーディエンスに向けた言葉が印象的だった。静かに語りかけながら、この日のライブタイトル『東京ロマンスポルノ'09 〜愛と青春の日々〜』の意味を考えさせられる場面だった。
幻想的な「音のない森」「ナイトトレイン」に続いては、ステージ左右に分かれた2人がいる花道の先端が動き出し、アリーナ席の周囲を回り、アリーナ後方のサブステージへと移動。2人だけで「幸せについて本気出して考えてみた」を演奏し歌うなど、大きな会場ならではの演出で楽しませる。
再び戻ったメインステージでは、「ミュージックアワー」「ジョバイロ」「サウダージ」といったヒット曲を連発。5万人が最高潮の盛り上がりを見せた。アンコールではデビュー曲「アポロ」、そして2010年2月10日にリリースになるという新曲も披露し、原点と最新の自分達をきっちりと聴かせてくれた。
4時間という長さにもかかわらず充実した内容であり、これまで築いてきた2人の“絆”を感じさせてくれたライブ。来年は全国のファンのもとへ向かうツアーも発表されただけに、2010年も楽しみだ。