ちょっと物騒ですが「アイクチ」です。
ペン芯のみ見ていただいた万年筆は、これです。

このペンは日本製、というより軸は酒井栄助さんの手によるもの、ニブは兜木さんと伺っております
「合口」と呼ばれていた形のこのペン(軸)はエボナイト製で、転がしてみると分かりますが、歪みもなく確かな技を知ることができます。
軸は、長さがキャップを閉めた状態で148mm、お尻につけた状態で178mm、太さは13mmほどです。キャップは閉めるときもお尻につけるときもネジ式で、どちらにつけてもぴったりで、少しの狂いもありません。
このペンのインク止め。インクは首軸を外してスポイトなどを使って胴軸内に直接入れ、使うときには尻栓を緩めます。より詳細な仕組みなどは、調べてみてください。
このネジ式キャップが曲者で、キャップを閉めているとき見えている首軸の延長部分が短いため、キャップを開けようとすると首軸のほうが回ってしまい、ややもするとインクが漏れてしまいます。またお尻につけてキャップを外すときにもキャップではなく尻栓が緩んでしまうことがありました。徐々に慣れてきて気をつけますが、使い勝手の悪い部分ですね。

兜木さんのニブは14金で、見えている部分で長さ19mm、一番広いところの巾は8mmです。ハート型のハート穴ですが、切り割りがちょっと長いところはご愛嬌でしょうか。
細字だと思いますが、弾力のある柔らかなニブのため細かい字はもとより変化をつけられる書き味を楽しめました。

今は使っていません。使うときに尻栓を開ける手間はさほど苦にはなりませんが、そこからインク漏れを興してしまったのですね。一応修理はしてありますが、修理中にほかのペンを使い始めてしまい、直ってきたときからペンケース行きになっています。
しばらくは今のまま休んでいて貰うと思いますが、そのうちにまた使いましょう。使うかな?
Posted by aurora_88 at 06:00
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万年筆
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http://blog.livedoor.jp/aurora_88/これには拙者も苦労させられたものじゃ・・・
修理の件、分かりました。もしもお会いできる機会があれば、その際はよろしくお願い致します。
修理は、今でも請けていただけるかわかりませんので、ここでの公開は差し控えます。
お会いすることがあるならば、そのとき直接お伝えいたします。
monolith6さん、
先日同様のことをらすとるむさんに指摘されました。ネジ式の匕首(刃物)があるはず
もなく、今回のペンは「合口」とは言わないのかも知れませんね。
なぜ「合口」と書いたかというと、このペンではありませんが、以前新宿の紀伊国屋で
同等のネジ嵌合式の「オノト型」に「合口」と説明がついて売られていたからです。
そのペンはキャップを首軸に嵌めるときにはネジ式で、お尻につけるときはスリップ・
キャップとなっていました。時期は紀伊国屋での販売が終わる数年前です。
京都和文化研究所さん、
ご説明ありがとうございました。今回のこのペンには『晩栄』 刻印はありません。
1970〜80年頃のようですが、ネジ式キャップだとどうなるのでしょう。
こうなるともう私の手には負えません。
ところで尻軸からインクが漏れたので修理された由ですが、どなたに依頼されました?私も3本ほど持っておりますが、将来同じ場所からインクが漏れるでしょうから、修理先を知りたいのです。
(続き)
実際、98年ごろまでは酒井さんは五分軸のオノト型は基本的にこの合口で仕上げておられましたが、オノト型でも四分軸の方はネジ式キャップで、そして全ての紡錘型万年筆はネジ式キャップで作っていました。それ以降は御高齢のため、スリップ・キャップの精度を出すことが難しくなり、専らネジ式キャップの万年筆になった筈です。
なお、86年以前にもオノト型はありましたが、キャップは合口だったりネジ式だったりと、両方の仕上げがありました。
いちゃもんをつけるようで恐縮ですが、お手持ちの万年筆の名称はネジ嵌合式の「オノト型」であって、合口ではないと思われます。私は過去に酒井さんにお願いして六分軸のオーバーサイズのオノト型を作って貰いましたが、その際キャップの嵌合をどうして欲しいかと酒井さんに尋ねられ、「酒井さんの技術の粋を反映したキャップにして下さい」とお願いしたところ、ネジ式ではなく、スリップ・キャップで出来上がりました。酒井さん曰く、これは合口と言って刃物の匕首のようにピタリと鞘と胴が合わさるところから来ているが、ネジのキャップと異なり、技術としては非常に難しいものだと説明を受けたことがあります。(続く)
すいません 酒井さんの Penの年代は 非常に測定が 難しい。
まず初期(後期)〜中期1970年代は 『晩栄』 刻印あり 無いものも有り。
又 モデル形状が 殆ど変化が無く 初期〜後期(現在を含む)同型の製造の為
そして 表面処理の 精度も 非常にまちまち の為・・・・・・・・・・・・・・・・・・。ですが 多分 このモデルは 1970年〜80年のモデルではと 考えます。が・・・はっきり断定出来ません。 すいません。
京都和文化研究所さん、
このペン、いつ頃の品か情報をお持ちではないですか?
らすとるむさん、
現在このペンは使っておりませんので、とりあえず現状のままとさせてください。分解調査はしばらくお待ちください。
こんばんは。
昨日、某所にて実物を拝見させて頂きました。
思いのほか大柄の立派な万年筆でした!!。
個人的な好みを云えばもう少しペン先を出したほうがカッコ良いと思います。
ついでにペン芯をヒッコ抜いてペン先全体の刻印を確認してみたいとの衝動に駆られてしまいました。
ところで・・・この万年筆はいつ頃の製造なのでしょうか??。
前回軸もニブもあっという間に特定されてしまいましたので、
ペン本体の画像掲載は冷却期間を置きました。
しばらく持ち歩きますので、いつものように私の立ち寄り先に来ていただければ
実物をご覧いただけます。
こんにちは。
前回、京都和文化研究所さまが兜を脱ぎます・・との書き込みに師匠がそのヒントで判ったと仰りましたネ!!。お二人とも凄いな〜〜と感心しておりました。私はあの画像のみでは兜木ニブだとは気が付きませんでした。どこで判ったのでしょうか???。京都和文化研究所さま、今度見分け方を教えてください。
一説によるとGKの刻印が兜木ニブの証であると聞きました。GK刻印のニブがありますが切り割りは正常のようです。
ショートタイプの 兜木これは 良いですね!! 酒井氏は同タイプにて漱石100年を記念してSSS のニブを使って製造してますが バランス・書き味等 スタイルは非常に良い 又 SSSニブは形が オノトの流れるようなラインを持って非常に好きな 万年筆。 兜木の 一見エラがはったニブですが しっかりした書き味で これまた 逸品です。 ・・・・・・・・・・ 私の所有の は 晩栄ニブは ・・実は今出張中で月曜日には帰りますので ・ ニブは可愛く切れてたか見ます。
これってハート穴をあけるのが先ですよね。勢い余ったというところでしょうか。
この画像を撮るまで気づきませんでした。兜木ニブをお持ちの方、あなたのニブはいかがですか?
切り割りが行き過ぎて、ハートが切れてますが、逆に口づけしているようでユーモラスですな。