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<2次補正>経済対策1000億円上積みへ 建設国債を発行

12月7日23時56分配信 毎日新聞

 政府・与党は7日、09年度2次補正予算に盛り込む経済対策の予算規模を従来より1000億円積み増し、約7.2兆円とすることで大筋合意した。公共事業に使途を限定した建設国債を発行し、上積みの財源を確保する。政府は当初、景気対策で国債増発はしないと表明していたが、国民新党の予算増額要求に応じるため、追加発行に踏み切る。8日朝に与党党首級の基本政策閣僚委員会で最終合意し、閣議決定する。

 政府・与党は7日夜、基本政策閣僚委員会の小委員会を開き、政府側が1000億円を積み増す修正案を国民新党に提示した。同党の下地幹郎政調会長は回答を留保したものの、古川元久副内閣相は会合後、「これ以上の上積みをしないことを確認した」と述べた。亀井静香金融・郵政担当相が代表の国民新党は8兆円への上積みを要求してきたが、最終的に修正案を受け入れる見通しだ。

 経済対策の策定にあたり政府は「財政規律の問題もある」(鳩山由紀夫首相)などと、国債の追加発行を拒否してきたが、国民新党の増額要求を受けて方針転換した。

 上積み分の1000億円は、電線を地中に埋設する工事や老朽化した橋の補修など生活に密着した公共工事向けに交付金として地方自治体に支出する。公共工事は従来の4000億円から5000億円に増額される。経済対策はこのほか「雇用」「環境」「景気」を3本柱とし、事業規模は約24兆円となる見通しだ。

 政府は当初、経済対策の財源として、麻生前政権が策定した1次補正予算の執行を凍結した2.7兆円を充てる計画だった。しかし、国民新党が当初11兆円、社民党が6兆円への増額を要請したため、低金利で余る国債費など約1.4兆円や、国の税収減に伴って減少した地方交付税交付金を補てんするための約3兆円(財源は赤字国債)を経済対策に上乗せし、7.1兆円としていた。【坂井隆之】

■主な施策と金額

<雇用>=0.6兆円

▽雇用調整助成金の要件緩和

▽新卒者支援の強化

▽保育サービス拡充など女性の就労支援

<環境>=0.8兆円

▽家電エコポイント制度の延長

▽エコカー補助の延長

▽住宅版エコポイント制度創設

▽環境・エネルギー技術の開発支援

<景気>=1.7兆円

▽中小企業向け融資・保証枠の拡充

<安心>=0.8兆円

▽新型インフルエンザ対策強化

<地方>=3.5兆円

▽電線の地中化、都市部の緑化などインフラ整備の支援

▽国の税収減に伴う地方交付税交付金減少分の補てん

※一部重複があるため、総額は7.2兆円と一致しない

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最終更新:12月8日0時59分

毎日新聞

 

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