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勝間和代のクロストーク

 菅直人副総理・国家戦略担当相がエコノミストから意見を聞く「マーケット・アイ・ミーティング」に5日、勝間和代さんが登場。「まず、デフレを止めよう」と題したプレゼンテーションを行い、通貨の大量発行などの大胆なデフレ退治策を求めたが、菅担当相の納得は得られなかった。
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 勝間さんはプレゼンの中で、「日銀の白川総裁はデフレスパイラルではないという認識だが、現状はデフレスパイラルだ」と政府・日銀の認識の甘さを指摘。若年層の雇用の厳しさ、自殺率の高さに表れる社会不安などを挙げながら、「デフレは百害あって一利なし」と強調した。そしてデフレ対策として、政府と日銀が政策合意を結び、インフレターゲット政策などを行うことを提案した。
 
 その後の意見交換で、「具体的にどうすればいいのか」と聞く菅担当相に対して、勝間さんは「通貨発行量をふやすのがいちばん簡単」「要は中央銀行のお金を大量に刷って、それを借金として政府がばらまく」と回答。菅担当相が「簡単に言えば、国債を50兆なり70兆なり出して、日銀に買い取らせるということか」と聞くと、勝間さんは「そういうことです」と答え、「国債の発行が悪いことのように国民は教育されているが、将来への投資と考えるべき」と主張した。
  
 それに対して菅担当相は、「国債の発行は投資というが、これまでそうなってこなかった。官僚主導の権力構造を変え、財政の中身を根本から変えることが必要」との見解を示した。SANY0105.jpg
 
 菅担当相は「デフレを退治し、若年雇用を大きく改善するという勝間さんの案は極めて魅力的」「日銀に言えばやってくれるのならば明日にでも言いたい」と述べつつも、実際にはその有効性に疑問の様子。勝間さんが「現在の税収のなかで財政を見直してもどうしてもお金が足りない」とさらに迫るのに対して、菅担当相は「カネがないのではなく知恵がないのだと私は言っている。カネを使わないで需要がふえる方法を考えたい」と最後まで距離を置いた。
 
【関連記事】
菅国家戦略担当相:経済財政の検討会を次々と開く
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091106k0000m010060000c.html

 勝間和代さん 経済評論家の勝間和代さんによる毎日新聞とインターネットの情報サイト毎日jpの連動企画「勝間和代のクロストーク~みんなの経済会議」の開始1周年を記念したイベントが4日、東京都内で開かれた。勝間さんが講演したほか、ウェブサービス「Twitter(ツイッター)」やネット動画中継を通じて、会場に集まった約150人のほか、ネットからも多数が参加した。

 クロストークは、新聞紙面にテーマを載せ、実名で意見を募ってネット上で議論し、結果をまた新聞紙面で報告する企画で08年10月にスタートした。

 この日のイベントのテーマは「メディアの未来を対話しよう」。勝間さんは「ネットはオフラインのものより質が悪いと言われていたが、多くの専門家と市民が参加してフラットな議論ができた。利用者が責任を持って発言する仕組みにすればネットのメディアも力がある」と現状を説明。今後については「(ネットによって)市民がメディアを持つことには大きな意味があるが、まだ過小評価されている。これからはマスメディアとの差がだんだんなくなる。実名登録で信頼性を担保することは、メディアを育てるために必要。ソーシャルメディアを単なるおしゃべりの場ではなく、社会や企業、政治をモニタリングする新しいメディアとして役立てられるかは市民次第だ」と話した。


「勝間和代のクロストーク」1周年を記念した講演会場では、多くの参加者がTwitterでつぶやきながら、講演に聞き入った その後のディスカッションにはいずれもツイッターを利用していることで知られる民主党の逢坂誠二衆院議員や歌手の広瀬香美さんがツイッターで参加。逢坂議員は、民主党のネット活用について「まずは選挙運動での解禁が先だと思う。ネットでの投票は課題が多い。ネット活用を広げる意思はあります」との意見を寄せた。広瀬さんは、ツイッターの魅力について「現代人はコミュニケーション能力が足りないといわれますが、ツイッター的なつながりは、すばらしい現代のコミュニケーションだと思います」とコメントした。

 会場からは「(市民のネットでの情報発信力に)格差があるのではないかと不安だ」「高齢者と20代では利害が一致しないと思う。ネット選挙を実現すると票を集める層が(ネットを使う若い世代に)変わってしまうので、解禁しないのではないか」「ツイッターを使ってニュースを意識的に流すと、議論が発展していくのでおもしろい」--などの多くの意見があった。勝間さんは「デジタルデバイドも含め、環境と教育による格差はある。教育によって全員が使えるようにならなければいけない」「若年の政治家はネットを使いたがっている。ネットを使えない層へのフォローは必要だが、だからITを使わないということにはならない」と答えた。

 
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