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連結経営に向けて経理システムを刷新
NTT データの ERP A.S.I.A. の導入により、年間数億円もの経費削減を予定
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三菱マテリアル株式会社 (以下、三菱マテリアル) は、グループ経営の強化と連結決算の早期化 (1 か月短縮) のため、2001 年 4 月より単体で導入している株式会社 NTT データ (以下 NTT データ) の ERP パッケージ「A.S.I.A. Hi-Line® (Alternative Solution for International Accounting) 」を、2004 年までに連結子会社を主体とした国内 80 社、海外 30 社へ順次導入することを決定しました。A.S.I.A. の導入によって、「月次連結決算の早期化」や「グループ経営の情報の一元管理」、「グループ資金の最適効率化」等の事業構造改革が実現することにより、三菱マテリアルグループとして、年間数億円の経費削減効果が見込まれています。
<導入の背景と狙い>
グループ経営強化のため、経理システムを刷新
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三菱マテリアル株式会社 経理財務統括室 室長補佐
小林敏樹氏
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非鉄金属、セメントなどの基礎素材を始め、電子製品などの先端素材、環境ビジネス業務までを扱う多角的な業務形態をとる三菱マテリアルグループは、長引く不況の影響や
IT 業界の失速により、電子材料需要の激減という厳しい状況に直面していました。そこで、業績回復を目指し、「主力製品への経営資源の集中」と「子会社を含めた連結経営の効率化」を柱とする事業構造改革を計画。戦略的に業務データを活用するために
ERP パッケージの導入を検討していた三菱マテリアル 経理 財務統括室 室長補佐 小林敏樹氏は、1999 年当時、三菱マテリアルの海外現地法人で導入していた
A.S.I.A. に着目しました。
「基幹システムは全ての業務の土台となるものですから、三菱マテリアルの多様性を損なうものでは意味がありません。当社のように多数の工場を抱え、多様な業種や製品を扱う企業への導入は、経理の実務を知った上で、慎重に検討する必要がありました」
(小林氏)
<導入システム>
A.S.I.A. のプラットフォームに Windows 2000 Advanced Server 及び SQL Server Enterprise Edition を採用
A.S.I.A. は、1996 年の発売以来、世界 13 か国数百サイトの導入実績を誇る、NTT データ独自開発の純国産 ERP パッケージです。発売当初は、マルチ通貨、マルチ言語対応機能を活かし、日系企業の海外拠点業
務をサポートする比較的小規模のパッケージでしたが、「世界各国の現地企業に日本的経営ノウハウを広
めていく」という展望を実現すべく、継続的に機能追加が図られ、連結会計への対応だけでなく、日本本
社から各連結子会社の動向を瞬時に把握できるなど、真のグループ経営の実現には欠かせない機能が追加
され、企業グループ全体をサポートする ERP パッケージとしての地位を確立しつつあります。
三菱マテリアルでの導入が決定された当時の A.S.I.A. の推奨環境は、OS が Windows 2000 Advanced
Server 、DBMS が Microsoft SQL Server 7.0 でした。運用を開始するカットオーバーまでの期間はわず
か 8 か月でしたが、基幹システムの運用にとって、安定性と信頼性を重視した環境の構築は絶対命題とな
ります。短期間での最適なシステム環境構築を目的として、三菱マテリアル、マイクロソフト、コンパッ
クコンピュータ株式会社 (以下、コンパックコンピュータ)、NTT データ、株式会社エイジアン・パートナ
ーズ (以下、エイジアン・パートナーズ)、以上 5 社の技術者やコンサルタントで構成された「技術分科会」がたびたび実施されました。三菱マテリアルの経理システムはもともとホストで動いていたため、オ
ープン系へのシフトという面でも入念な準備が必要だったのです。


三菱マテリアル株式会社 情報システムセンター 端山敦久氏
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「A.S.I.A. 採用の前年から、マイクロソフトのコンサルティングサービスとプレミアサポートを利用して
いました。既に Windows 2000 の Active Directory® の構築などでも実績がありましたので、今回の
ような大規模な基幹システムも、安心して採用することができました。また、コンパックコンピュータのサポートでは、技術部隊の方に直接 IA サーバーなどの相談をすることもできたので、非常に心強かったです」 (三菱マテリアル 情報システムセンター 端山敦久氏)
大規模なシステムであるハードウェア環境は、運用面の効率化と安定性を考えてエイジアン・パートナー
ズのハウジングサービスを利用しています。冗長性を持たせる構成で、ホストと比べても稼働率という面
ではひけをとらず、しかもコストは大幅に削減できます。三菱マテリアルでは、長期的にはホストはなく
す方向でシステム運営を考えており、そういった面でも今回の事例は有益な実績となりました。
A.S.I.A. のグループ展開により、年間約 400 万件を越える膨大かつ重要なデータが発生すると想定され
、スケーラビリティ、安定性、可用性、パフォーマンス、コストなどあらゆる面で厳しい評価を行った結
果、プラットフォームとして Windows 2000 Advanced Server、SQL Server Enterprise Edition、コンパ
ックコンピュータの IA サーバー「Compaq ProLiant (プロライアント) 」の採用が決定されました。
<導入の効果>
A.S.I.A. の合理化効果と Windows プラットフォームの安定性
三菱マテリアルグループでは、A.S.I.A. の導入により、年間数億円の経費削減効果を見込んでいます。たとえば
、 A.S.I.A. の機能の 1 つである「入金自動消込」を活用することにより、全事業所 15 か所の担当者が
数名で 10 日間ほど費やしていた売掛金の消し込み作業が、わずか 5 人の本部スタッフが数日間程度行
うだけで、すべてできるようになりました。
その他にも、具体的に下記のようなメリットが生じています。
- 債権債務の一元管理の実現により、海外の ERP パッケージでは実現できなかった債権債務相殺、振込、手形の決済方法変更等が容易になり、一般会計業務面で大幅な合理化が可能に。
- 部門構成登録機能を使用し、組織の統廃合時における経理面での対応が容易に。
- 部門階層を無限に作成できるため、カンパニー別、事業所別、課別、製品別等あらゆる角度から B/S・P/L を作成することが可能に。
- 債権の自動入金消込モジュールを使って入金整理業務を本社に集約することで、人員の合理化が可能に。
- 債務については、支払い業務を集中させることでグループ資金の効率的な運用が可能に。
- A.S.I.A. の出力及び検索機能は、全て Microsoft Excel に出力が可能となるため、統計や分析資料の作成が容易。
- グルーピング機能を使用して取引先との債権債務の状況がタイムリーに集約できるので、グループ全体での与信管理が効果的に推進される。
「自社の業務内容を ERP パッケージに合わせるのではなく、経理のあらゆることに関してフレキシブルに対応できる点は非常に便利。会計士のシステム監査についても細かいところまで実装してあるので、とても好評です」 (小林氏)
「A.S.I.A. のプラットフォームとして採用した Windows 2000 に関しては、出荷前から調査していました。スケーラビリティ、安定性、可用性、すべてにおいて非常に良い OS であると評価しています」 (端山氏)
<今後の展望>
グループ各社への早急な移行を予定
三菱マテリアルは、今後 2 年間のうちに国内外の連結子会社 110 社(国内 80 社、海外 30 社)へ A.S.I.A. を導入することを正式に決定しています。これによって、「月次連結決算の早期化」や「グループ経営情報の統一化」、「グループ資金の最適効率化」など、グループ経営機能を強化した A.S.I.A. の真価が発揮されるようになり、本社導入時以上の効果が見込まれています。2 年間で 110 社という厳しい導入期間ですが、三菱マテリアル、NTT データ、エイジアン・パートナーズ、マイクロソフト、コンパックコンピュータの 5 社による技術分科会を継続し、強力なスクラムで目標達成を目指しています。また、本社のシステムも、今後さらに完成度の高いものにすべく、拡張にあわせて SQL Server 2000 への移行が予定されています。
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