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「子ども手当のために借金をして、将来世代に負担を残してもいいのか」(階猛(しなたけし)総務政務官)「(子ども手当の)財源に扶養控除の成年部分まで充てるのは論理的に無理がある」(阿部知子・社民党政審会長)--。7日夕、東京・霞が関の内閣府庁舎で開かれた政府税制調査会全体会合。10年度の税制改正大綱取りまとめに向け、本来なら詰めの協議を進めなければならない時期だが、鳩山政権の目玉施策である「子ども手当」の財源として廃止が検討されている扶養控除を巡り、委員の意見がまっぷたつに割れた。【赤間清広】
所得税の扶養控除を巡っては、「子ども手当」の対象となる15歳以下の家族の分は廃止の方針が決まっているが、扶養家族が23~69歳の「成年部分」は存廃が決まっていない。先週末から持ち越しとなっていた議論は、この日も意見集約のめどさえ立たずに終わった。
7日の議論では特定扶養控除の扱いを巡る議論も進展がなかった。民主党がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ高校授業料無償化の財源として、特定扶養控除(扶養家族が16~22歳)の縮小を要望した文部科学省が「省内の作業がまだ続いている。もう少し時間がかかる」と具体的な説明を放棄。大詰めにもかかわらず「マニフェストのうち、来年度にどの程度、実施するのか。それが確認できないと議論が進まない」との意見も飛び出す状態で、週内の大綱取りまとめは極めて厳しい状況だ。
7日の全体会合では、税制改正の最大の焦点となっている自動車関連税の暫定税率廃止と、地球温暖化対策税(環境税)の導入の是非も議題となった。暫定税率廃止では一定の合意が得られたものの、環境税の来年4月導入については「慎重な議論が必要だ」との意見が相次いだ。
しかし、この議論は先週の段階で税調の手を離れ、菅直人副総理兼国家戦略担当相ら5閣僚による非公式の会合に事実上、委ねられている。位置づけもあいまいな5閣僚会合が税制の決定権を握る現状に、税調委員の一人は「雲の上の次元の話になっている」といら立ちを隠せない。
税調の進行役の峰崎直樹副財務相は「鳩山由紀夫首相や大臣の判断を踏まえ、税調として最終確認するしかない」と語った。
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▽扶養控除(1人につき38万円)
・15歳以下の家族を扶養
子ども手当の対象→控除廃止へ
・23~69歳の家族を扶養
子ども手当の対象外で負担増→存廃を議論
▽特定扶養控除(1人につき63万円)
・16~22歳の家族を扶養
高校授業料の実質無償化に伴い、文部科学省が控除見直しを提案→縮減を議論
注:カッコ内は総収入からの控除額
毎日新聞 2009年12月8日 東京朝刊