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後任代表決まったものの…冷え込み続く日台関係

2009年12月7日23時16分

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 【台北=野嶋剛】日本の対台湾窓口、交流協会台北事務所の斎藤正樹代表(大使に相当)が辞任し、今井正・元イスラエル大使を後任とする人事が7日、同協会の理事会で決まった。5月の「台湾の国際的地位は未確定」とする斎藤発言などをめぐり、馬英九(マー・インチウ)・国民党政権と日本政府との間で相互不信が高まった末の辞任劇。日台関係は、蜜月だった陳水扁・前政権時代と比べ、急速に冷却化している。

 昨年5月に馬政権が発足する前は、陳前政権の与党・民進党の対日重視もあって「日台は1972年の断交以来、最高の状態」(当時の池田維・交流協会台北事務所代表)とされた。しかし昨年6月、尖閣諸島(台湾名・釣魚台)で台湾の遊漁船と日本の海上保安庁の巡視船が衝突する事件が起き、当時の劉兆玄・行政院長(首相)が「日本と一戦を辞さず」と発言するなど関係が悪化。台湾の許世楷・駐日代表の辞任にまで発展した。

 今回の斎藤氏の辞任で、約1年半の間に双方の代表が任期半ばでポストを退く異例の事態となった。

 台湾の法的地位には言及しないのが、従来の日本政府の立場。斎藤発言に問題があった点は本人も日本外務省も認めるが、謝罪後も台湾が斎藤氏を馬総統ら政権幹部に会わそうとせず、斎藤批判の情報もメディアに繰り返しリークするなどの強硬な手法に日本側は不快感を強めた。

 馬政権側も、自らの台湾統治の根拠を否定しかねない発言が日本の「大使」の口から語られたことで、「日本に何か意図があるのか」との疑念を深めていた。

 馬政権は一方で、対中関係改善とのバランスを取る意味から日本重視を盛んにアピールし、札幌事務所開設やワーキングホリデーの実現など成果も上げている。だが、相次ぐトラブルによる相互不信はぬぐえず、民進党時代の一体感は損なわれた形だ。

 加えて日本では総選挙で自民党が大敗し、親台派の議連「日華議員懇談会」のメンバーが大幅に減った。政権を握った民主党は小沢一郎幹事長が今月、多数の議員とともに訪中を予定するなど対中重視を強めている。また、馬政権の与党・国民党は自民党と親しく、民主党とのパイプは細いとされ、日台の関係改善は容易ではないとの見方が関係者の間では多い。

 台湾でも関係改善した中国から要人や企業家の訪問が相次ぎ、日本の存在感は下降気味。「日台の仲たがいは中国を利するだけ」(日台関係筋)との懸念も出ている。

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