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多田、ドロー防衛も不満「フック入ってた」

 引き分けでそれぞれ防衛に成功した富樫(左)と多田=南港ATCホール
 引き分けでそれぞれ防衛に成功した富樫(左)と多田=南港ATCホール

 「女子ボクシング、WBA世界ミニマム級WBC世界Lフライ級タイトルマッチ」(6日、大阪市ATCホール)

 女子ボクシングのWBA世界ミニマム級王者・多田悦子(28)=フュチュール=が6日、WBC世界Lフライ級王者・富樫直美(34)=ワタナベ=とのダブル世界戦を行い、三者三様の判定で引き分けた。団体、階級の異なる世界王者が、それぞれの王座をかけてタイトル戦を行うのは国内では男女を通じて初めて。多田は2度目、富樫は3度目の王座防衛となった。

  ◇  ◇

 “世紀の一戦”は痛み分け-。国内では男女初となる2冠戦は、ドローという結果に終わった。多田は「(判定は)どっちかに転ぶと思った。後半は結構フックが入ってたんやけど」と不満げ。執念の猛追も、勝利には一歩及ばなかった。

 5回終了後に公開された採点は、最大3ポイント差の2-0で富樫がリード。「クリーンヒットはこっちの方が多かったけど」と、本人にとっては意外な採点だったが「とにかく冷静になろうと思った」。ただ、闘志には火がついた。

 前半は相手のがむしゃらなスタイルに付き合わず「きれいなボクシング」に徹したが、後半は足を止めて打ち合いに応じた。強烈な右フックをたたきこみ、何度も富樫の体を泳がせた。「結構効いてたんやけどな」と仕留めきれなかったことを悔いたが、自分のベルトは守り抜いた。

 「とりあえず今年一年はチャンピオンのまま終われた」と笑い、「もっともっと女子ボクシングを盛り上げたいな」。28歳の王者は、さらなるビッグマッチを求めた。

(2009年12月6日)
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