世界最強タッグリーグを制覇した武藤(右)と船木=岐阜産業会館
「全日本」(6日、岐阜産業会館)
世界最強タッグ決定リーグ戦の優勝決定戦が行われ、船木誠勝(40)、武藤敬司(46)組が、諏訪魔(33)、河野真幸(29)組を下して初優勝。90年代に格闘家として一時代を築いた船木は、今年8月に約20年ぶりとなる“純プロレス”復帰を果たして以来、初タイトルを獲得した。これで来年早々の世界タッグ王座挑戦が決定的となった。
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復帰後初タイトルに、船木は「選んだ道は間違いじゃなかった」と胸を張った。
船木は諏訪魔の原爆固めを受けて場外でもん絶。2対1で追いつめられた武藤は絶体絶命の状況から電光石火のフランケンシュタイナーで逆転勝ちした。船木も試合途中でミサイルキックを放つなど見せ場は作った。
背水の陣だった。「今は話題性だけ。結果を残さないと来年はない」。そして「巡業で1週間家を空けるなんて今までなかった。感謝している」と、優勝で家族に恩返しするつもりだった。
元舞台女優の妻・いづみさん(34)は自宅から道場への送迎や、独学で取得したアロママッサージを施してきた。妻は「体は疲れていても毎日イキイキしている」と“プロレスラー船木”に頼もしげだという。サファリパークで抱いたライオンの名を拝借した長男・ライアンくん(4)は鬼コーチ役。自宅で「どうして(試合で)蹴られた」と父にカツを入れている。
全日本はインフルエンザ禍に見舞われ、離脱者が続出した今大会だけに、喜びもひとしおの武藤。「誰にでも合わせる器用さがある。これに本人の自我がどう目覚めるか」と相棒に期待した。
次の標的は鈴木みのる&太陽ケア組の世界タッグ王座。船木は「一期一会で突っ走りたい。休んじゃいけない」と98年に失ったパンクラス王座以来のベルト奪取に燃えた。
(2009年12月8日)