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【今日の読み物(スコープなど)】<スコープ>首相 外相 意見対立 深刻に2009年12月8日 紙面から 米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり、鳩山由紀夫首相と岡田克也外相の意見対立が深刻になった。首相は、連立相手の意向を踏まえ、沖縄県外への移設に傾斜。対する岡田氏は、対米関係を維持するには、現行移設計画で年内決着を図るほかないと思い詰める。政府方針を決める最終段階で、政権は抜き差しならない局面を迎えた。(竹内洋一) 首相は七日、近く政府方針をまとめ、米国に伝える考えを記者団に示した。二〇〇六年の日米合意に基づき沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に移設する現行計画については「米国からそういう要求は来ている」と述べた。 その上で、沖縄県民の県外移設への期待感、社民、国民新両党との連立の重要性を指摘し、辺野古移転は「簡単ではない」と二度繰り返した。米国の要求に屈しない「対等な日米関係」を探る姿勢を示す思惑もある。 首相の周辺では、米国の反発を覚悟の上で、時間をかけて交渉すべきだとの意見が強まりつつある。平野博文官房長官は記者会見で「辺野古だけではなくほかもないのか、今までの(日米合意の)検証作業をみたときにどうなのかという考え方を、首相自身が出すのではないか」と説明した。 一方、米国との交渉当事者として「圧力」を直接受ける岡田氏は先週末の沖縄訪問時、自ら提案した米軍嘉手納基地統合案について「非常に難しい」と地元メディアに断念を表明。記者会見では「合意が実現できないときに(日米の)信頼関係がどれだけ維持されるのか。日米関係の現状に非常に強い危機感を持っている」と述べた。 外交の責任者が、日米関係が危機的状況にあると認めるのは異例だ。それほど岡田氏は追い詰められ、現行計画以外に選択肢は残されていないとの苦悩をにじませる。六日午後に首相を公邸に訪ね、一時間余り会談した際には、首相の説得を試みたとみられる。 ただ、政府・与党に岡田氏を後押しする声はなく、孤立感が深まっている。 「岡田氏はなぜ米国や外務省の言いなりになっているのか、ということだ」 首相に近い中堅議員は首相の内心をこう代弁してみせた。
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