浦和移籍が決定的となった広島・柏木
J1広島MF柏木陽介(21)がJ1浦和に完全移籍することが7日、決定的となった。近日中に浦和から正式発表される。今季限りで広島との契約が満了する柏木は浦和からオファーを受け、複数年契約を提示するなど慰留に努める広島残留か、浦和移籍かの決断を迫られていた。浦和にとっては、フォルカー・フィンケ監督の就任以降、初めての即戦力クラスの補強となる。
◇ ◇
2年連続で無冠に終わった赤い悪魔に、広島のファンタジスタが加わる。浦和移籍か、広島残留か-。柏木が出した結論は移籍だった。親しい関係者に意思を伝えており、補強を進める浦和にとっては、来季の新戦力“第1号”となる。
昨季の開幕前にもオファーを出しており、熱烈なラブコールが実った。左利きに加え、豊富な運動量が持ち味の柏木は、フィンケ監督が掲げるサッカーにも合致する。リーグでは今季33試合に出場して8得点。浦和にとっては、中盤の選手として高い得点力が獲得への要因となった。10月末までに広島に獲得の意思を示す書類を送付しており、代理人と交渉を重ねてきた。
柏木にとっては、悩み抜いた末の決断だった。広島ユースからの生え抜きで、07年のU-20W杯では主力として活躍した。同年、北京五輪アジア予選のメンバーにも選ばれ、予選突破に貢献。盟友のDF槙野智章らと広島ユースの“黄金世代”と呼ばれ「育ててくれた広島への恩、愛情がある」と話していた。
来季も指揮を執る予定のフィンケ監督は世代交代を念頭に、入れ替えを強く要望。改革を進めながら、結果が求められるシーズンになる。獲得を目指していたC大阪MF香川真司(20)、大分MF金崎夢生(20)の交渉が難航しているだけに、柏木獲得はこれ以上ない吉報だ。
(2009年12月8日)