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<厚労省>日本年金機構へ覆面調査員 窓口サービスを向上

12月8日2時30分配信 毎日新聞

 厚生労働省は、来年1月に社会保険庁から移行する非公務員型の「日本年金機構」の窓口サービスを向上させるため、機構の職員に気付かれずに業務内容をさりげなくチェックする「覆面調査員」を送り込む方針を固めた。調査は、年金記録漏れ問題を通じて明らかになった社保庁の「お役所体質」を改めるのが狙い。これによりサービス目標などを数値で示した「お客様へのお約束10カ条」(仮称)の達成状況を点検する。来年度の政府予算の概算要求に「覆面調査費」として3000万円を計上している。【佐藤丈一】

 具体的には民間の信用調査会社などに委託し、調査員が事前の通告なしで機構の各窓口を巡回。年金記録の確認手順や待ち時間などを調査するほか、相談担当者がきちんと名刺を渡すかどうかなど職員の接客態度も確認。結果は同省にも報告し、改善策につなげる。

 同省幹部は「誰が来たかすら分からない状態で調査する」と話している。

 このほか、機構では外部の経営コンサルタントの経営診断を受けながら機構の各業務の有効性や効率性を高めていく。経営情報を公開するため、民間企業で一般的な財務諸表や経営方針などを記す年次報告書(アニュアルリポート)も作成する。

 同庁では、持ち主不明の「宙に浮いた年金」記録が約5095万件に上ることが発覚。保険料を決める基準となるみなし給料「標準報酬月額」を過去にさかのぼって引き下げる処理も明らかとなった。また職員が有名人の記録をのぞき見したことや、保険料の無駄遣いも判明。前政権は社保庁の廃止に踏み切った。総務省の検証委員会は厚労省や社保庁を「使命感、責任感の決定的な欠如」があったと指摘した。

 新機構では内部統制・監査、法令順守を担当する部門を充実させ、不祥事の再発防止を目指す。初代理事長には、民間出身で日本経団連専務理事などを歴任した紀陸(きりく)孝氏が就任する。

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最終更新:12月8日2時30分

毎日新聞

 

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