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特集地軸2009年12月07日(月)付 愛媛新聞

結婚しない、生まない

 なぜ若者は結婚しない・できないのか? そんな一節がことしの少子化社会白書にある。要因の一つは収入をめぐる希望と現実の落差。東京だと25〜34歳の未婚者中、女性の7割は男性に400万円以上を望む。男性の8割は漏れてしまう▲
 かつて「負け犬」の流行語を生んだ酒井順子さんも喝破していた。男性は学歴や収入、身長で結婚相手より勝っていたい願望が強く、女性はその逆。だから統計上、未婚で多いのは高収入の女性と低収入の男性。いきおい、相手がいない。そんな分析だ▲
 いま若い女性に専業主婦志向が強まっているという。若年層には非正規雇用が広がる。とくに女性は厳しいから、働くことに見切りをつけるのもわかる。男性も自分の生活だけで必死に違いない▲
 こんな状況への反乱かもしれない。内閣府の男女共同参画社会に関する世論調査で、結婚を「してもしなくてもいい」が7割に達した▲
 結婚がこうなら出産・育児に実感をもてないのも無理ない。「結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はないか」に4割以上が賛成。20、30代女性では6割を超えた。理由は多様だろうが、仕事をめぐり受けた仕打ちを子どもに味わわせたくない、という思いがあっても不思議でない▲
 「結婚しない」「産まない」は生き方でもある。その前段に「こんな世の中では」がつくなら、間違いなく政策の問題だ。

   
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