中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

加藤紘一氏、中国臓器移植の研修口利き '09/12/7

 ▽日本で医師2人 仲介業者が依頼

 日中友好協会会長を務める加藤紘一・元自民党幹事長が、中国への渡航移植の仲介をしている男性業者から「中国の医師に日本の臓器移植技術を学ばせる機会を設けてほしい」と口利きを依頼され、日本移植学会幹部に協力を要請、研修を実現させていたことが6日、関係者の話で分かった。

 ▽あっせん「信じられない」

 加藤氏はこの男性と約3年前から付き合いがあるが、移植仲介に関与しているかどうかは知らなかったとしている。

 中国の移植医療は死刑囚からの臓器摘出など倫理的な問題が指摘されており、現場の医師は患者を渡航させることを含め関与に極めて慎重な姿勢を取っている。臓器移植法は国の許可なくあっせん業をすることを禁じているが、男性は許可を得ていない。

 加藤氏は「日本の画期的な新技術を学びたいということなので引き受けた。(男性が)あっせん業をしていたとは信じられない。何かの間違いではないか」としており、本人から早急に事情を聴く意向を示している。

 加藤氏らによると、研修は今年1月、日本移植学会幹部の大学教授が講師役となり、中国中部の病院から移植医2人を迎え東京都内で実施。数日間にわたり滞在し、手術を見学するなどした。

 加藤氏に依頼した男性は40代で首都圏在住。共同通信の取材に「研修の後、中国の医師から『いろいろなことを学んだ。この恩は忘れない。移植が必要なことがあれば言ってほしい』と感謝された」と話している。

 男性によると、約3年前からインターネット上などで集めた日本の移植希望者と中国の病院とを仲介し、移植を受けさせている。患者からは現地での通訳料などを受け取っているとしている。

 中国は近年、外国人の渡航移植の規制を強化しているが、男性は中国のルールに従っていると説明している。

 加藤氏は、「中国で布団や医療機器を販売していると聞いていて、現地に関する調べ事を頼むことがあった」と説明。中国の病院と男性との関係について「仕事上の付き合いがあると聞いた」と話している。

 ▽早急に話を聞きたい

 加藤紘一氏の話 男性とは3年ほど前、知人を通して知り合った。中国で布団や医療機器を販売していると聞いており、現地に関する調べ事を頼むと実にきっちり仕上げてくる。能力があるし、悪くない男だと思っていた。2年ほど前から男性の依頼を受けており、中国の患者のためになると考え引き受けた。素晴らしい医療技術について日中間で情報交換がされるのはいいことだと思うが、移植については倫理上の問題もあり、政府間レベルの関与が必須だと考え、交渉してきた。男性もそうするよう主張していた。それだけに、あっせん業をしていたとは信じられない。何かの間違いではないか。男性から早急に話を聞きたい。




HomeTopBackNextLast
安全安心