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児童ポルノ:根絶へ連携 関係省庁、来夏に総合対策

 児童ポルノを巡る被害が深刻さを増す中、政府の犯罪対策閣僚会議は近く、児童ポルノ根絶に向けたワーキングチームを発足させる方針を固めた。警察庁によると、09年の児童ポルノ事件の摘発は、過去最多だった08年を上回るペース。国際社会で日本の取り組みの遅れが指摘されていることから、児童買春・児童ポルノ禁止法の改正作業とは別に、関係省庁による対応が不可欠と判断した。諸外国の対策なども参考に、来夏をメドに総合対策をとりまとめる見通しだ。

 新たに設けられるのは「児童ポルノ排除対策ワーキングチーム」(仮称)。今月中旬にも中井洽国家公安委員長が犯罪対策閣僚会議で設置を提案する。関係省庁の副大臣や政務官らがメンバーとなり、10年1月に初会合を開催する。インターネットへの流通防止や被害児童支援について、専門家らから意見を聞くことも検討する。

 チームは、画像分析班の新設といった根絶に向けた重点プログラムを6月に策定した警察庁を中心に、ネット関係事業者に違法・有害情報の早期削除、検索エンジンでの非開示の推進を要請(総務省、経済産業省)▽被害児童の早期発見とカウンセリング、立ち直り支援(文部科学省、厚生労働省、法務省)▽欧米諸国の対策調査(外務省)--など各省庁が連携する。

 警察庁によると、児童ポルノ事件を巡っては、09年上半期(1~6月)に逮捕・書類送検されたのは、382件(08年同期比27・3%増)、289人(同53・7%増)、被害児童数も218人(同51・3%増)と00年に統計を取り始めて以降、過去最悪のペースで推移している。

 児童ポルノ対策を巡っては、欧米などから「日本は児童ポルノの輸出国」と非難されたことから99年、児童買春・児童ポルノ禁止法が議員立法で成立。だが、その後の法改正でも、単純所持の処罰化は見送られ続け、主要8カ国(G8)で処罰化していないのは日本とロシアだけだ。

 また、7月に国連の専門家が実施した訪日調査でも、児童ポルノへの取り組みが不十分と指摘された。

毎日新聞 2009年12月7日 東京夕刊

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