2009年12月7日
米検索大手グーグルが日本向けの新サービスを相次いで投入している。これまでヤフー日本法人に後れをとっていたが、無料で使える新サービスや初めてのテレビCMを打ち出すなど、利用者の拡大に躍起になっている。
グーグルは7日、自分の声で検索ができる「音声検索」サービスを携帯電話向けに始めた。「渋谷のおいしい居酒屋」と話しかけると、携帯のマイクを通じてネット上で検索され、店のリストが表示される。グーグルの携帯向けOS(基本ソフト)の「アンドロイド」搭載型か、米アップルのiPhoneで利用できる。
11月から一般利用者向けにキャンペーンを開始し、初めてテレビCMを流している。今月3日には、独自の日本語入力ソフトの無料配布も始めた。
米国に次いで世界2位の広告市場である日本は、グーグルにとっても重要だ。しかし米国では検索シェアの6割を占めるグーグルも、日本では1996年に先行してサービスを始めたヤフー日本法人に水をあけられてきた。ある調査会社の担当者は「米国ではやっていないネットオークションなど、日本独自の現地に合わせたサービスをうまく提供してきたのがヤフー日本法人の強み」と分析する。
そこでグーグルも急ぐのが、日本に根ざした新サービスだ。3日には、主要な広告主などを集めた会合を東京で開催。米国から駆けつけたパトリック・ピシェットCFO(最高財務責任者)も「日本は重要市場。現地のニーズに合うサービスを出していく」と強調した。
国内の自宅パソコンからのグーグルの利用者(推計値)は、今年10月にはヤフーの7割近くに迫ってきた。ヤフー関係者は「グーグルの拡大は脅威だ」と危機感を隠さない。(五十嵐大介)