2001年10月、中国の江沢民国家主席(右)と会談する小泉首相=北京・中南海(共同) 小泉氏、靖国問題に返答せず 01年日中会談の記録開示外務省は7日までに、2001年10月、当時の小泉純一郎首相が初めての靖国神社参拝後に訪中し江沢民国家主席、朱鎔基首相(当時)と会談した際の外交記録を、情報公開法に基づく共同通信の請求に対し、開示した。靖国参拝を繰り返しけん制する中国首脳に対し、小泉氏は靖国問題に関し一切返答しておらず、すれ違いに終わったことが裏付けられた。これが中国側に「再参拝はないとの誤解を与えた」との指摘もある。 外務省によると、同会談記録は08年10月に大学の研究者に対し開示したことがあるという。 会談が行われたのは、01年8月13日の靖国参拝約2カ月後の10月8日。会談記録によると、江氏は、日中交流の歴史をたどりながら「靖国神社にはA級戦犯がまつられており、政府の首脳が参拝することは非常に複雑な結果を引き起こす」と強い調子で批判した。 小泉氏は靖国参拝にはひと言も触れなかったが、会談に先立ち日中戦争の発端となった盧溝橋などを視察。江氏には戦争で犠牲になった中国の人々におわびと哀悼の気持ちを表明した。中国側は“謝罪”をうかがわせる小泉氏の姿勢を評価し、成果を強調。ところが小泉氏は翌02年4月に2回目の参拝を敢行。結局、靖国参拝への認識が全くずれていたことが判明した。 【共同通信】
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