2009年12月07日(月)
「就職先ない」厳しい冬 来春卒業の県内大学生 「新卒有利」と留年志願も
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山梨学院大の就職・キャリアセンターでは、3、4年生へのアドバイスが続く=甲府市内 |
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雇用情勢の悪化が、大学生の就職活動にも大きな影を落としている。山梨労働局の集計によると、来春卒業を予定する山梨県内の大学生の就職内定率(10月1日時点)は昨年同期より11・7ポイント低い40・9%。師走に入っても内定が得られず、活動を続ける4年生にとっては厳しい冬。「新卒が有利」と留年を考え始める学生もいる。先輩の苦戦を目の当たりにしている3年生は焦りを隠せず、精力的に活動する。大学側は、就職戦線が長期化する4年生への進路指導と、3年生向けのガイダンスを並行するという異例の対応を取っている。 「このまま就職が決まらなかったらどうしよう…」。企業の面接を受けた帰り道、県内の私立大4年の男子学生(22)は、いつもそんなことを考えるという。就職活動は今年に入ってから始め、面接を受けた会社は50社を超えた。でも内定はまだない。当初、県内企業への就職を希望したが、今は東京でも活動している。 就職浪人をすると、「新卒」ではなく「中途」扱いにする企業がある。この学生は「中途採用は倍率が高く、内定をもらいにくくなる」と考え、最近は留年することも選択肢に入れるようになった。 内定率が落ち込んでいることを受け、山梨大は9月、4年生を対象にした県内企業など約30社との面接会を甲府商工会議所と合同開催。ほかの大学の学生も受け入れ、約70人が参加した。例年、3年生のガイダンスを始める秋、4年生向けの取り組みをするのは初めてという。 山梨県立大3年の伊藤瞳さん(20)は「アルバイト先などに、就職が決まっていない4年生の先輩がいる。来年も厳しい状況は変わらないだろう」と、一日でも早く内定を得るために活動をしているという。ほかの3年生からは「就職できれば業種は関係ない。どこでもいいというのが本音」という声さえ聞こえてくる。 全国私立大学就職指導研究会長で山梨学院大就職・キャリアセンター課長の土橋久忠さんは「4年生は、売り手市場だった一つ上の先輩が比較的簡単に就職でき、『自分たちも大丈夫』と思ってきただけに、大きなショックを受けている」と分析。買い手市場に一変した先輩を見ている3年生にとって、衝撃は4年生以上に大きいとみている。 ある大学の進路担当者は「例年この時期は3年生の対応だけで済むが、今年は4年生も何とかしないとならない。今までにないプレッシャー」と、頭が痛い様子だ。 「業種に関係なく、どこでもいいから就職したい、という意識はなくしてほしい」と呼び掛けるのは、山梨大進路支援室の小沢理さん。「せっかく就職しても、すぐやめてしまうケースがある。自分の将来を見据えた企業選びをするようアドバイスしている」と話す。
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