婚活ブームで何が起こったか?――誤解された婚活・婚活ブームを検証する 第1回(全4回)(3) - 09/12/07 | 08:10



(3)一方、不況による経済的不安などから、男性の婚活へのモチベーションは落ちている。婚活市場は完全に「女高男低」となっている。(ずっと男性の数が6:4で多かった婚活市場はここ3年ほど女性の新規参入が多く、各社とも5:5かまたは女性が多いぐらいの男女比。「エキサイト恋愛結婚」の会員数は正会員数:2万9365人(男性:8752人 女性:2万0613人 *2009年12月3日現在)

(4)2000年以降、ITの普及で「商品を買うなら比較検討して、よりよいものを求めたい」という意識が広がり、「価格.com」などで一斉検索しての比較検討が可能になった。結婚に関しても、偶然出会った人が運命の人ではなく、「比較検討して、よりよい人に出会いたい」という「選良意識」がより鮮明になってきた。その「選良の場」を、ネット、リアルなどさまざまな婚活ビジネスがより後押しする結果となった。

 婚活がブームになったのは「待っているだけでは結婚できないのではないか?」と多くの未婚者が思っていたところに、婚活という概念がきたので、一気に意識変換が起こったのだろう。なぜなら、出版していちばん最初に『「婚活」時代』の取材にきてくれたのは、30代前後のテレビや女性誌、男性誌で働く未婚者、つまり当事者だったからだ。

 人々の意識というのは、なかなか変わらない。しかし言葉の力というのは、「7割ぐらいの人」が「なんとなくそうではないか?」と思っているところに現れると、大きな力となる。時には「意識変換」を促すことができると実感した。

 また、これだけの人が「昭和的結婚(男女役割分担に基づいた法律婚)」をしたがっていたことに驚いた。結婚が話題になれば、当然「今の結婚制度は使い勝手が悪い」など、結婚制度そのものに意義を唱える異見も出てきて当然と思っていたのだが、驚くほど「婚活」は受け入れられ広まった。

 次回は、婚活の「限界値」を探る。
白河桃子 白河桃子(しらかわ・とうこ)
ジャーナリスト&ライター 東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。
「プレジデント」、「シュシュ」、「ジンジャー」、「日経」アソシエオンライン、「日経」新聞サイト、その他婦人公論など多数女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚、晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマで、その膨大な取材量には定評がある。
山田昌弘中央大学教授とともに「婚活(結婚活動)」を提唱し、共著の『「婚活」時代 』(ディスカヴァー21刊)が19万部のヒットに。「婚活」は2009年度流行語大賞にノミネートされるほど世の中に影響力を持つワードとなり、今日も注目されている。
公式ブログ:http://www.diamondblog.jp/touko_shirakawa/
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