ロンドン(CNN) 英気象庁は来週、地球の地表温度を観測した記録をインターネットで公表し、気候データが操作されていないことを示す。同庁で気象科学部長を務めるジョン・ミッチェル教授が5日、CNNに語った。
公開されるのは、同庁ハドレー気候予測研究センターのデータの一部。世界各地1000カ所の観測記録が盛り込まれており、地球の温度に関する数少ないデータの1つとして、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による分析の裏付けとなっている。
地球温暖化に懐疑的な人々は、英イーストアングリカ大学気候調査部(CRU)の電子メールを根拠に、気候変動が人間によって引き起こされているとの主張を補強するため、科学者らが温暖化関連のデータを操作していると主張。メールは先月CRUの研究者などの間で交換されたもので、外部に流出し論議を巻き起こしている。
しかしミッチェル教授はCNNに対し、平均温度の観測記録に全く問題はないと明言。「地表温度、海面温度、平均気温の3つのデータをそれぞれ見れば、ここ100年で0.7度温暖化した傾向が分かる。データはIPCCによって全て公表されている」と指摘し、懐疑的になっている人々に流出メールではなく温暖化を裏付ける証拠に注目するよう促した。
同教授はまた、米航空宇宙局(NASA)や米国立海洋大気庁(NOAA)が同じく地球温暖化傾向を示す豊富なデータを持っていると指摘し、自由に閲覧できるのではないかとの見解を示した。
この日ロンドン市内では、デンマークの首都コペンハーゲンで開幕する国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)を前に、温暖化対策を求める何千人もの人々によるデモ行進が行われた。ブラウン英首相は英紙ガーディアンに対し、温暖化懐疑派を意に介さず、COP15での合意達成に集中する必要性を強調した。