この人物のオモテとウラ　宇治原史規（ロザン）

●関西では相方の菅広文の方が人気

　先月下旬、漫才コンビ“ロザン”を組む相方・菅広文が、宇治原の少年時代を題材にした小説「京大少年」（講談社）を出版。京大出身の宇治原の、少年時代の勉強方法などを明かした。

　菅が宇治原をネタに小説を書いたのは２度目。１作目は「京大芸人」（講談社）で、昨年１０月に発売し１０万部超とヒットした。菅の著作だが、宇治原と印税を折半。宇治原は愛車のＧＭ“シボレー・トレイルブレイザー”のローンに充てたという。

　宇治原と菅は仲が良いことで知られる。大阪教育大学付属高校天王寺校舎時代、同じバスケットボール部員だった２人は、当時から家族ぐるみのつきあいをする仲。宇治原が“インテリ芸人”として、ピンでクイズ番組で大活躍するようになってからも、すべてのギャラや賞金を折半している。

　コンビは片方が売れると、ギャラなどでモメて、険悪な仲になり、コンビを解消することも珍しくない。“ロザン”の今後を心配する声もある。

「宇治原がテングになり、ギャラを独占したい、と言い出すことはないでしょう。もともとの仲の良さもあるけど、“ロザン”は吉本興業所属のコンビで、関西ではコンビとして知名度があり、ボケ担当の菅のほうが目立っている。イケメンでもあるので、ピンでＣＭにも出演していた。だから、関東では人気の高い宇治原も、人気は水モノ、とよくわかっていると思う」（芸能ライター）

　宇治原は“インテリ芸人”のイメージのおかげで「結婚したい男ランキング」「彼氏にしたい若手芸人ランキング」で、上位に名前があがるほど人気が高い。

　しかし、そのイメージを喜んでいないフシもある。大企業「パナソニック電工」副社長（現・非常勤顧問）の父親の猛反対を押し切り、お笑いの道に入った以上、お笑いで売れたい気持ちが強いようだ。

●一時はジャニーズのアイドルをしのぐ勢いも

　そもそも、関西では“顔が悪い”などといわれ、三枚目のイメージが強かった。

　宇治原は番組企画で、“ロザン”など漫才コンビ３組を合体させたダンスユニット“ＷＥＳＴ　ＳＩＤＥ”を組み、０１年、ＣＤデビュー。沖縄アクターズスクール大阪校でダンスレッスンを積み、ジャニーズ事務所のグループを上回るほどのアイドル的人気を誇った。ところが、ユニットの中では、宇治原はイジラレ役で、冴えない役回りだったのだ。

　ただ、それも過去の話。クイズブームの今は、宇治原は称賛される“インテリ芸人”のポジションを降りるのは難しいだろう。「クイズプレゼンバラエティーＱさま！！」（テレビ朝日）の“ファインプレー率”は出演者中トップを誇り、先月２９日放送の「熱血！平成教育学院」（フジテレビ）の“宇治原ＶＳ．インテリ芸能人頂上対決”も制した。芸能界一の知識の豊富さで、まだまだ視聴者を沸かせてほしい。

（日刊ゲンダイ2009年12月4日掲載）