中日の左腕・川井雄太投手(29)が酒を断って、来季さらなる飛躍を目指すことになった。6日、長野県松本市内で地元有志による応援団体「松本ドラゴンズ会」の納会に出席し、「今年のオフは飲まないようにします」と話した。太るのを防ぐのが目的。ベスト体重を維持したまま、来春キャンプに臨む。
故郷である長野の冷たく、引き締まった空気が川井を決意へと向かわせた。この日の「松本ドラゴンズ会」の納会が行われたのは、松本城のすぐ近く。同県の代表的な観光名所を視界に入れながら、堂々と宣言した。
「お正月とかで特別なとき以外、お酒を飲まないようにします。年齢のせいなのか、最近太りやすくなってきたので」
毎晩、缶ビールを1本、空けていたのをやめる。来年30歳を迎えるとあり、体重は落ちにくくなってきた。現在は76キロ。秋季練習に参加していたこともあり、ベストを維持できているが、ひとたび太ってしまえば、戻すのは難しくなる。ならば、最初から体重を増やさなければいい。「今のままでキャンプに入りたい」。たどり着いた結論が“禁酒トレ”だった。
今季途中、78キロに増え、とたんに打ち込まれた経験があるという。わずか2キロの差ではあるが、キレの低下を実感した。「日にちは覚えていないんですが。ボクは切れで勝負するタイプなので、体重をキープし、切れを出していかないと」。140キロ前後の速球やカーブなどを最大限、生かすための策というわけだ。
今季は球団新の「開幕11連勝」を記録しながら、その後は未勝利に終わった。“禁酒トレ”だけでなく、「野菜などもバランスよく食べます」とも。正月のモチの食べ過ぎにも注意する。わずか缶ビール1本でも毎日、飲めば2月までに20リットル近くにもなる。身を引き締め、今季に続く再度のブレークのきっかけにする。 (清水裕介)
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