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【ドラニュース】


堂上兄弟、原点回帰

2009年12月7日 紙面から

 来年こそのブレークを狙う堂上兄弟の合言葉は「原点回帰」だった。中日の堂上直倫内野手(21)、堂上剛裕外野手(24)の兄弟が6日、愛知県の一色町、春日井市でそれぞれ少年野球教室に参加。堂上直が愛工大名電高時代までの自分を思い出して来年に挑むことを誓えば、堂上剛は自分の原点であるフルスイングに戻すことを宣言した。

◆一色町で

 少年たちへのメッセージは思うように芽が出ない自分への訓示でもあった。約50人の一色少年野球団を前に堂上直はこう話した。

 「みんなもチームの中で(出場するために)戦っていると思う。これからもライバル心を持ってほしい。コイツだけには絶対に負けないと思ってやれば、もっとうまくなる。満足するまであきらめずに頑張ってほしい」

 “ライバル心”は高校時代までの自分を支えた原動力だった。「あのころはそういう気持ちが強かった。負けたくないって」。現日本ハムで当時、東邦高の木下達生投手(22)には抑えられ、現横浜で当時、大分・柳ケ浦高のエースだった山口俊投手(22)の速球にはかすりもしなかったという。その中で闘志を燃やして鍛えてきた。でもいまは? それが堂上直の課題だった。

 「プロに入って自分のことが精いっぱいになって…。そういう気持ちを忘れていたんです。だから来年はライバル心を持っていきます。誰というのはいませんが、右打者全員に負けたくないです」

 今オフは打撃を中心にナゴヤ球場で練習に取り組み、年明けは兄・剛裕らとともに三重県志摩市で自主トレするという。「来年は早くアピールできるように鍛えます」。来年はまだ4年目ではなく、もう4年目。原点に戻ってブレークを狙う。 (兼田康次)

◆春日井市で

 実家のある愛知県春日井市で開かれた少年野球教室。堂上剛は伊藤、岩崎恭らとともに参加した。地域の小学生83人に、打撃において最も大切なこととして「強く振ること」と説いた。

 今季1軍で放った安打はわずか2本。「期待に応えられず悔しかった」という自身にも向けた“教示”だった。

 中日OBで、かつてスラッガーとして活躍した大豊泰昭氏が最近、堂上剛の打撃について「打率が欲しくてスイングが小さくなっていたんじゃないか」と評した。

 大豊氏とは、元中日投手である父親・照さんの縁で幼少期から親交が深かった。その言葉に堂上剛は「数字を求めて縮こまっていたかもしれません」と、持ち味のフルスイングを取り戻すことを決意した。秋季練習中に撮りためた自身の打撃のビデオを参考資料にフォーム改造を敢行する。

 「来季こそチャンス。正月? 休んでなんていられませんよ。元日から動きます」。愛工大名電高から入団して7年目となる2010年のシーズン。堂上剛にとって勝負の年になる。 (若原隆宏)

 

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