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シュルトV4!史上最短&史上最多

 バダ・ハリに蹴りをぶち込むシュルト(左)=横浜アリーナ
 バダ・ハリに蹴りをぶち込むシュルト(左)=横浜アリーナ

 「K-1ワールドGP」(5日、横浜アリーナ)

 ワールドGP決勝戦はセーム・シュルト(35)=オランダ=がバダ・ハリ(24)=モロッコ=から3度のダウンを奪って1回KO勝ち。05-07年にK-1史上初の3連覇を達成して以来の栄冠で、アーネスト・ホーストと並ぶ史上最多タイの通算4度目の優勝を遂げた。3試合すべて1回KO勝ちは98年のピーター・アーツ以来2人目で、シュルトはアーツより短い計5分53秒という史上最短記録で頂点に立った。

  ◇  ◇

 圧巻だった。準々決勝でバンナから右ミドルキックと右前蹴りで2回、準決勝でボンヤスキーから右フックと左ストレートで2回、決勝でバダ・ハリから左ストレート、左ハイキック、左ミドルキックで3回のダウンを奪って圧勝。212センチの大巨人は「絶対王者」と称された3連覇時より、強くなっていた。

 逆風にさらされていた。昨年は決勝トーナメントに進めず、今年5月にはバダ・ハリに1回KO負け。11月にはルーマニアで練習後、練習仲間のヴィタリ・ミトゥさんが22歳の若さで急死する悲劇に見舞われ、大きな衝撃を受けた。左足は練習中に負傷していた。

 それでもタイトルをモチベーションに「インターネットなど外部からの情報をすべて遮断して」と練習に集中。優勝の決定打は、痛めていたはずの左足だった。

 この日、サッカーW杯1次リーグの組み合わせが決まり、母国オランダは日本と同組となったが、シュルトは「サッカーは好きじゃないから言うことはない。日本に勝って欲しい」と意に介さず。「1つ1つ積み重ねていきたい」と、優勝記録の更新だけを見すえた。

(2009年12月5日)
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