50光年先に見つかった惑星(中央下右の光点)、中央は恒星=国立天文台など提供
50光年の距離にある太陽によく似た恒星の周りを回る二つの惑星の撮影に、国立天文台など日独米のチームが成功した。米物理学専門誌アストロフィジカルジャーナル電子版で発表される。
太陽系外の惑星は、これまで400個ほど見つかっている。しかし、惑星の公転で恒星の位置がぶれることから逆算するといった間接的な観測が多く、直接撮影が世界中で競争となっていた。直接撮影はカナダや米国などのチームに続く世界2例目。中心にある恒星の重さが太陽に近い惑星では、これが初という。
惑星は極めて暗いため、恒星のまぶしさにまぎれて直接写すのは難しい。国立天文台などは、恒星の光を隠す新型装置を開発。今年5月、ハワイのすばる望遠鏡で試験していたところ、こと座にある恒星で二つの惑星を見つけた。
重さはいずれも木星の10倍ほど。太陽系でいえば、天王星や海王星ほど離れた軌道上を回っていた。国立天文台の田村元秀准教授は「太陽系と比べ、重い惑星が極めて遠くにある。これまでの考え方では説明できず、今後、議論を呼ぶだろう」と話している。(東山正宜)