住宅の長寿命化を提唱してきた東大生産技術研究所の野城(やしろ)智也所長(建築学)は、「華美な設備や内装のコストを削って耐震強度にまわせば販売価格を上げなくても対応はできる。見えない部分に投資するのはマンション販売会社には勇気のいることだが、そうしなければ買い手も長期優良の良さを認識できない」と話す。(歌野清一郎)
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〈長期優良住宅〉 70〜80年は長持ちする住宅に質の向上を図るのが制度の狙い。子や孫の住宅取得への負担を減らす効果も期待される。劣化対策、間取りの変更しやすさ、バリアフリー対策などの基準を満たす必要がある。購入者は50年の長期返済ローンが組めるほか、減税(所得税は最高年間60万円で10年間、固定資産税は5〜7年間が半額)の対象になる。