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技術はできて当たり前の管理職 [プログラマー現役続行]

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人 【第二版】 (技評SE選書)

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人 【第二版】 (技評SE選書)


119頁に次のように書かれています。
管理者は技術者ではない?
多くの日本企業は、管理職というキャリアパスを用意しています。
「管理職になるから、技術から遠ざかってしまう」と残念な顔。「これからは技術をやらなくてもいいんだ」と、なぜかほっとした顔。反応はさまざまですが、多くの人は「管理者は技術者ではない」と考えているようです。
実は、管理者には技術者よりも厳しく技術力が求められているのです。
「管理者の評価基準に、技術力なんてないよ」
そうかもしれません。しかし、管理者の評価基準に「技術力」という項目がないのは、技術力はあって当たり前なので、わざわざ基準を設けていないだけなのです。

(途中省略)

管理者の技術力は、管理という仕事そのものに影響を与えます。したがって、管理者については、技術力を直接評価しなくても、技術力は表面化するのです。技術が求められないと思って、技術スキルの向上を怠っていると、管理スキルそのものが低下していくことになります。

日々の主な仕事は、いわゆる管理業務に費やされていますが、技術スキル向上にあてる時間は工夫して作っていくことになります。伸びる人であれば、学習は日課になっていますから、何の問題もありません。伸びる人手あれば、管理者になっても伸びていきます。管理者であれば、伸びる人を育成していくこともできます。
荒井さんが述べるような技術スキルの向上を行っている管理職は、非常に少数だと思います。その理由の1つは、管理職になる前から「学習が日課」になっていない人が多いからです。「ソフトウェアエンジニアの成長カーブ」でも述べましたが、多くの人々は学習する習慣をもともと持っていなかったり、失くしていったりします。

たとえば、オブジェクト指向プログラミング言語に関して言えば、1980年代にはC++が登場し、1995年にはJavaが登場しています。そして、もうすぐ2009年は終わろうとしています。テスト駆動開発、継続的インテグレーション、ペア・プログラミング、リファクタリングなどは、ソフトウェア業界では常識化しつつあります。そして、多くの書籍がそれらについて書かれています。会社で使用している技術・手法だけでなく、日常的に学習を継続し、書籍に書かれていることが本当に良いのかとか上手くいくのかということは、実際に部下にやらせてみるのが管理職だと思います。

ところが、現実は逆で、若手の方が色々なことを勉強していて、新たな手法を導入しようとすると、勉強していない管理職に対して「分かりやすく説明する」ことが求められたりします。

この状況をさらに悪くするのは、ソフトウェア開発経験が全くない人が異動してきて管理職になった場合です。人にもよると思いますが、開発現場と全く異なった価値感を持っている人が管理職になると、話が全くかみ合わなかったりします。

私の経験から言えば、管理職でありながら常に継続して学習することは、学習しないで管理職だけを行うよりは、かなりの努力が必要となります。したがって、学習しない方が楽なのです。しかし、荒井さんが述べているように、学習をしなくなると「管理スキルそのものが低下していくことになります」。

(「技術者の技量の評価軸」、「Google IOとJavaOne」)
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