ひおヤマトを語る

ヤマトの漫画と言えば松本零士先生の作品が筆頭に来ますが、それが全てではありません。
もっとも有名なのが、ひおあきら先生によるコミカライズ(作・藤川桂介)です。
最近(2005年)メディアファクトリーから再販されたので、ご覧になった方も多いはず。

ひお先生は「V」以外の全ての作品を手がけていらっしゃいますが、その中でもっともオリジナリティ溢れ、かつ面白いのが 「パート 1」です。
放送段階ではボツになった様々なエピソード、TV並みに被弾する激しい戦闘シーン、そして独自解釈によるキャラ ク ター描写・・・

その魅力は既にあちこちで語られているのですが、 せっかくなので、イラストを交え、ビジュアル的な面から語ってみたいと思います。


●まずヤマト。
トラフグちゃんたまにあるショット。
ローアングルからの迫力を出そうとした結果、勢い余ってえらいことになってます。


●次に、本編主人公・沖田十三。
熱血沖田
ひお版といえば、この熱血沖田艦長
ピンチの時は両手に握りこぶしを固め、全身で悔しさを表現します。
最期も「地球か・・・何もかも皆、懐かしい」などと感傷に浸る隙などありません。
大きく目を見開き、乗組員の前で「残念なことに私はもうだめだ。後の指揮は古代進に一任する!!」と高らかに宣言し、「ガクッ!」と力尽きます。
非常に男らしいです。

古代進?ああ、本作では脇です、脇。
ええっ


●次はヒロイン・森雪さん。
元気だしてネ 黒いです。
さらに言えば、服のデザインが男性乗組員のそれと同じ。
瞳や巻き毛風の髪の毛も少女マンガチックで、松本版よりもだいぶカワイイ系統です。
このビジュアルインパクトの前には、古代君を「古代」と呼び捨てにするなどは些細なことですね。
(でも何故か島は「くん」付け)


●このひお版は、本放送ではボツになった、企画段階のアイデアも豊富に取り入れられています。
当然、古代守がキャプテンハーロックとなって登場、という展開もあります。
TV版では結局、諸般の都合で実現しなかったのですが・・・

これは格好いい・・・のか?
・・・。
この守兄さん、弟がピンチに陥ると幾度となく現れ、救ってくれます。
将軍やデスラー総統にトドメを刺したのも全部このヒト。
ほとんどフェニックス一輝状態です。


●さて、次は敵側。
ヤマト最大のライバルといえば「ドメル将軍」ですが、ひお版では一味違います。

シャアって言うな
ロメル将軍です!
ドメルと、元ねたのドイツ軍人・ロンメルの間を取った感じですかね。
デスラー暗殺計画を阻止するなど、バトル以外でも大活躍。
狭い宇宙船の中でわざわざサングラスをかける意義は、敢えて問わない方向で。


●最後に、ラスボスであるデスラー総統をご紹介して終わりたいと思います。
ビジュアル的には、もっともTVに近いキャラクターと言えるでしょう。

総統、落ち着いて。
もう少し落ち着きがあればね。


なんか失礼なツッコミに終始してしまいましたが、私はこの「ひお版ヤマト」大好きです。
エンターテイメントとしては、松本御大のヤマトよりもサービス精神旺盛で起伏に富み、楽しめる作品だと思っています。
「完結編」あとがきにあった「松本先生、また『ワダチ』みたいな熱くてマニアックな作品を描いてください!」というメッセー ジに は激しく共感いたしました(笑)


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