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交通事故死:重度自閉症に逸失利益認める…札幌地裁で和解

 05年に札幌市で交通事故死した重度の自閉症の少年(当時17歳)の両親が運転手と付き添いのヘルパーに、平均賃金に基づく逸失利益約4280万円を含む計約7340万円の損害賠償を求めた訴訟は4日、札幌地裁で和解が成立した。中山幾次郎裁判長は和解金算出に逸失利益として北海道の最低賃金などを考慮したとしており、運転手ら側は約1560万円と算定された逸失利益を含む計4010万円を支払う。両親側は「逸失利益が認められた。画期的和解だ」と喜んでいる。

 訴状によると、少年は05年8月、札幌市内で女性の運転する乗用車にはねられて死亡した。両親は女性が注意を怠ったなどと主張。損害賠償を求めたが、女性の加入する損害保険会社が提示した賠償額の見積もりで逸失利益の算定は0円で、総額も自賠責保険の支払限度額の約3000万円にとどまった。

 中山裁判長が示した和解金の算出根拠は、道の最低賃金(年130万円)に係数を掛けた約1130万円▽重度自閉症を障害年金1級と想定して20~65歳分の約430万円。これらは和解条項に明記されなかったが、両親の代理人によると、重度知的障害者の逸失利益が事実上、認められたケースは今回が初めてという。【水戸健一】

毎日新聞 2009年12月4日 22時01分

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