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往年の碓氷峠越え「能登」引退へ

JR金沢駅の5番線で出発を待つ急行「能登」(左)と、寝台特急「北陸」

(撮影:伊東広路)


 丸い鼻の形をしたボンネット型の先頭車両が愛らしい。「489系」だけで編成する夜行急行「能登」(金沢―上野)。かつて屈指の難所として知られた旧信越線の碓氷(うすい)峠を上り下りした。長野新幹線開通で碓氷峠を挟む横川(群馬県)―軽井沢(長野県)間が廃線となり、1997年からは上越線経由に変更。峠越えはなくなったが、来年3月、JR西日本のダイヤ改正で定期列車から姿を消す。

 両駅間には、旧国鉄で最も急な66・7パーミル(1000メートルで66・7メートルの高低差)の勾配(こうばい)があった。その対策のための電車として開発されたのが489系だ。峠越えで補機の電気機関車を連結し、機関車側からノッチやブレーキを操作する協調運転を行っていた。

 運転台には今でも協調運転への切り替えに使う“横軽(横川―軽井沢)スイッチ”が残っている。

 JR西によると、1両を女性専用のレディースカーとするなど乗客増を図ってきたが、高速バスに太刀打ちできなかった。

 能登と同区間を走るブルートレインの寝台特急「北陸」も定期列車からなくなる見通しで、北陸と首都圏を結ぶ夜行列車は役割を終える。

 次週は、ちょっと珍しい車両を紹介します。

2009年12月04日 読売新聞)
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