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大量殺害事件の州に戒厳令 フィリピン

2009年12月5日12時14分

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写真:フィリピン南部ミンダナオ島マギンダナオ州に戒厳令を布告したことを記者会見で発表するエルミタ官房長官=ロイターフィリピン南部ミンダナオ島マギンダナオ州に戒厳令を布告したことを記者会見で発表するエルミタ官房長官=ロイター

 【マニラ=松井健】フィリピンのアロヨ大統領は4日夜、州知事選への立候補を目指す政治家の家族ら57人が殺害される事件が起きた南部ミンダナオ島マギンダナオ州に戒厳令を布告した。殺害を指示、実行したとみられる知事一族への捜査が進むなか、私兵の一部が武力抵抗の動きを見せるなど同州の治安が悪化しているためとしている。

 エルミタ官房長官が5日朝、記者会見で発表した。同国での戒厳令布告は、独裁体制確立を狙ったマルコス元大統領の1972年以来。

 マギンダナオ州では11月23日、来年5月の州知事選への立候補届け出に向かう途中だった同州ブルアンの副町長の妻ら家族と、同行のジャーナリストら計57人が武装グループに襲われて殺害された。同州知事などの政治家が輩出し、私兵も抱えるアンパトゥアン一族が、ライバルの立候補を阻止するために実行したとみられている。

 比捜査当局は5日までに州知事らの身柄を拘束し、ほかの一族のメンバーの行方も追っている。だが、政府によると、大量の武器を抱えるとされる私兵が捜査に抵抗する動きがあるなど、治安が悪化している。比国軍も現地の部隊を増強し、現在は4千人規模が展開している。

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