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東北大助教・論文不正:助教を解雇 11本、実験データを流用

 東北大は4日、同大大学院歯学研究科の上原亜希子助教(40)らが01~07年に発表した論文11本にデータの流用があったとして、上原助教を懲戒解雇、指導的立場にあった高田春比古教授(59)を停職3カ月、菅原俊二教授(51)を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。同大によると、研究内容にかかわる不正で研究者を懲戒処分にしたのは初めて。

 上原助教をめぐっては、日本細菌学会が08年3月、若手研究者を対象とする「黒屋奨学賞」を贈ったが、同年7月に助教の論文に不正行為の疑いが強いとして同大に調査を求め、同賞を取り消した。

 同大が今年4月に公表した内部調査結果で、上原助教は口腔(こうくう)免疫に関する論文などで、過去の論文に使用した実験データや画像を複写し独自の新データと偽って使用したと認定。両教授は論文の責任著者だったが、上原助教の虚偽データを検証することなく使用した。不正行為があったとされる論文11本のうち、菅原教授が発表した4本は取り下げ手続き中だが、上原助教と高田教授は不正を認めていないという。

 同大の野家啓一理事は4日に会見し「研究倫理教育の更なる徹底を図る」との井上明久学長のコメントを読み上げた。【高橋宗男】

毎日新聞 2009年12月5日 東京朝刊

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