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検察、首相を不起訴へ 偽装献金、直接の関与なしと判断

2009年12月2日15時1分

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 鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書をめぐる偽装献金問題で、検察当局は、首相本人が虚偽記載などに直接関与した証拠は見当たらないとして、嫌疑不十分で不起訴処分にする方向で検討していることがわかった。

 虚偽記載の原資は首相本人と実母の資金であることも既に解明されており、検察当局は、首相本人の事情聴取の必要性は低く、上申書の提出を受けて捜査を終結に向かわせることを検討している。ただし、実母から直近5年間で「貸付金」として提供を受けた9億円が実際は贈与として課税対象となる可能性は残っている。

 この問題では政治資金規正法違反容疑で2件の告発が出ており、実務担当の元公設第1秘書と会計責任者の元政策秘書は虚偽記載、首相は虚偽記載と会計責任者の選任・監督責任を問われている。

 東京地検特捜部は、2004〜08年の同懇話会の収支報告書について、計約3億5千万円を偽装献金と認定。実際の原資の大半は、鳩山家の資産管理会社「六幸商会」から同期間に拠出された、首相本人と実母の資金計約11億5千万円の一部とみている。

 こうした偽装工作は元公設第1秘書が一手に担っていたとみられる。元公設第1秘書は任意の聴取に対しても虚偽記載を認めたとされ、特捜部は在宅起訴するとみられる。

 会計責任者の元政策秘書は任意の事情聴取で「元公設第1秘書に一任で、自分は何も知らない」と説明している模様だ。特捜部は、重過失規定を適用して略式起訴することも検討している。

 首相本人については、元政策秘書も実態を把握していない中で、虚偽記載の共犯に問うのは困難と判断。会計責任者の選任・監督責任についても、不適格者を選んだとまでは言えないとしたとみられる。

 首相の聴取は見送り、国会答弁などでの主張を上申書の形で提出を受けて、不起訴とするとみられる。

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