ごめん、のしるし


ああ、また言いすぎた。
なんであんなこと言っちゃったんだろう。
ほんとは言いたいことは全然違うことだったのに。



お前と話していると、何故だか絶対に負けたくないと思ってしまうんだ。
お前の考えてること、本当に言いたいことが分かるからなのかな。
お前の考えの裏をかいてやりたくなってしまうんだ。



ごめん。
悪かったのは自分だ。

たったこれだけ言えば済む話なのに、でもどうしても謝れない。



覚えてるか?
小さいころの、二人のやくそく。
甘い甘い、甘すぎるコーヒー。

練乳をたっぷり入れて、砂糖もたっぷり溶かしこむ。
牛乳でもいいが、やはりここは誠意をこめて練乳にしておこう。

最早コーヒーとは言えないほど甘くなったその飲み物は、
二人だけのごめんのしるし。



ごめんね。



どうか、この気持ちが伝わりますように。


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