きょうのコラム「時鐘」 2009年12月5日

 「下駄の雪」状態で、社民党の政権離脱はないと高をくくっていた官邸の失敗だそうだ。「重大決意」が効いたのか、鳩山首相は普天間基地移転の年内決着を断念し、新案検討まで指示した

歩きにくい「下駄の雪」が外れそうになって慌てるなど、よく分からない図式である。社民を抱き込むつもりなら、もっと前に手を打つべきだったと身内からも批判されている。結果的に小が大を振り回す「しっぽが犬を振る」ことになった

が、首相は振り回されているのではないとの見方もある。難問先送りの理由が見つかったのかもしれないからだ。本当に振り回されているのは沖縄県民である。移転先を新たに探すとなれば、まだ十数年は現状に我慢しなければならない

「さも熱心に見せかけて、選挙人民籠絡(ろうらく)し」「まんまと当選するや否、たちまち本色あらわして」「権謀術策(けんぼうじゅっさく)も時による、汝(なんじ)の身の上かえりみよ」「無節操にもほどがある、ほんとにお前はわからない」(無茶苦茶節=川上音次郎)

明治の政界と変わらないようだ。これで、ほどほどの内閣支持率があるのだから「ホントにお前はわからない」。